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<スズケンDIアワー> 平成25年1月10日放送内容より スズケン

悪性軟部腫瘍治療薬 パゾパニブ塩酸塩


国立病院機構大阪医療センター整形外科部長
上田 孝文

icon パゾパニブ塩酸塩の特徴

パゾパニブ

 パゾパニブは、血管内皮細胞の増殖因子受容体(VEGFR)を標的とする低分子化合物である合成インダゾールピリミジンという成分からなる薬剤であり、VEGFR-1,2,3の他、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)および幹細胞因子受容体(c-kit)の作用を特異的に阻害する多分子標的チロシンキナーゼ阻害薬であります。

PALETTE:無増悪生存期間

 再発性または転移性の進行軟部肉腫を対象としたパゾパニブの層別化第II相臨床試験において、滑膜肉腫や平滑筋肉腫などで3ヵ月無増悪生存率の有意な改善が示されたことを踏まえ、ヨーロッパのがん臨床研究機構であるEORTCの骨・軟部肉腫グループとGlaxoSmithKline社により計画された国際共同多施設第III相無作為化比較臨床試験(PALETTE: PAzopanib expLorEd in SofT-Tissue Sarcoma-a phasE 3 study)が開始され、わが国もこのPALETTE試験に参加することとなりました。進行性の軟部肉腫患者372例が13か国、72施設より登録され、その内訳は、欧州224例(60%)、日本47例(13%)、米国44例(12%)、韓国34例(9%)、オーストラリア23例(6%)で、うち167例(45%)が欧州EORTC参加施設からの登録患者でした。わが国の骨・軟部腫瘍専門施設の医師たちの協力により、参加国別では、日本はフランスに次いで2番目に多い症例数を登録することができました。このPALETTE試験では、パゾパニブ投与群(246例)およびプラセボ群(123例)に2:1の割合で二群に無作為割り付けされ(3例は割り付け前に脱落)、治験が行われました。
 その結果、無増悪生存期間(PFS:progression-free survival)中央値は、パゾパニブ群では4.6ヵ月であったのに対し、プラセボ群では1.6ヵ月となり、パゾパニブ投与群で有意なPFSの延長を認めました(HR: 0.31, 95%CI: 0.24~0.40, p<0.0001)。

 

提供 : 株式会社スズケン



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