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<スズケンDIアワー> 平成25年1月24日放送内容より スズケン

加齢黄斑変性治療薬 アフリベルセプト(遺伝子組換え)


東京女子医科大学眼科学教授
飯田 知弘

icon アフリベルセプトの臨床試験

無作為化二重遮蔽実薬対照比較試験

 アフリベルセプトの臨床試験は、日本を含めた世界各国で同時並行に行われました。北米で行われたVIEW 1試験とそれ以外の国26か国でVIEW2試験がおこなわれ、日本はVIEW2試験に参加しました。これらの試験では、アフリベルセプトの有効性についてラニビズマブに対する非劣性を検証するとともに、安全性についても検討する目的で、無作為化二重遮蔽実薬対照比較試験が実施されました。
 試験方法は、対象患者をラニビズマブ0.5mg4週ごと投与群、アフリベルセプト2mg 4週ごと、0.5mg 4週ごと、又は2mg 8 週ごと投与群に無作為に割り付け、硝子体内投与を行いました。全ての投与群で、導入期に4週ごと3回連続投与を行っています。

視力が維持*された患者の割合

 VIEW1とVIEW2の併合解析において、52週時点の主要評価項目の結果では、アフリベルセプトの2ヵ月に1回投与群において、95%の患者さんで視力の維持が認められ、ラニビズマブ月1回投与群との非劣性が確認されました。また、年間の平均投与回数はアフリベルセプト2ヵ月に1回投与群では7.6回、ラニビズマブ月1回投与群では12.3回でした。
 これまでの臨床試験でラニビズマブ月1回投与による良好な視力維持・改善効果が報告されていますが、アフリベルセプトの2ヵ月に1回投与では、より少ない投与回数で同等の有効性が得られています。

最高矯正視力の変化量

 副次評価項目である52 週目における最高矯正視力の変化量は、全ての群でベースラインから+8.3〜9.3文字であり、アフリベルセプト投与群でラニビズマブ0.5mg 4週ごと投与群との明らかな差は認められませんでした。

アフリベルセプトの投与法

 この臨床試験結果をふまえまして、用法・用量は「アフリベルセプトとして2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回、連続3回(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、通常、2ヵ月ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節する。」となりました。
 維持期は原則2か月に1回必ず注射することになりますが、その投与間隔は患者さんの症状を見ながら医師の判断で、長くしたり、短くしたりすることが可能です。
 臨床試験での安全性の評価では、2年間(96週まで)の検討において、アフリベルセプト投与群と、ラニビズマブ投与群の有害事象発現率はほぼ同程度で、アフリベルセプト投与による有害事象の増加はみられませんでした。使用上の注意として、慎重投与はラニビズマブと同様に、(1)緑内障、高眼圧症の患者、(2)脳卒中又は一過性脳虚血発作の既往歴等の脳卒中の危険因子のある患者、となっています。

icon おわりに

 アフリベルセプトは、臨床試験において、維持期に2カ月毎に1回と少ない治療回数で、これまでの第一選択薬であったラニビズマブ(ルセンティス)の毎月1回投与と同等の視力維持・改善効果が得られたことから、今後の臨床現場での患者さんの負担軽減に期待が寄せられています。また、先行して発売されている米国では、ラニビズマブ抵抗例にも効果があるとの報告もあります。今後は複数の有効性のあるVEGF阻害剤を使用できることになり、加齢黄斑変性患者さんの視力予後とQOLをこれまで以上に改善することができると期待されます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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