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<スズケンDIアワー> 平成25年1月31日放送内容より スズケン

DI実例集(177)CRRT(持続的腎代替療法)施行下での薬物療法


名古屋大学附属病院薬剤部薬剤主任
宮川 泰宏

icon 薬剤投与量について

PIPC/TAZ の投与量

 持続的腎臓代替療法での薬剤投与量は、文献に関しても総合的に判断する必要があります。例えば、ピペラシリン/タゾバクタムの投与量はサンフォード感染症治療ガイド2012年では2.25gを1日4回ですが、2005年のclinical infectious disease では持続的血液ろ過透析を行う場合は3.375gを1日4回という文もあり、対象臓器や菌のMICによって1回4.5g 1日3回とする海外施設もあります。このように投与量は文献によっても変化します。

サンフォード感染症治療ガイド2012における投与量比較

 また、サンフォード感染症治療ガイドにおける持続的腎臓代替療法でのピペラシリン単独の投与量は最大で1日16gですが、ピペラシリン/タゾバクタムに含まれるピペラシリンとしての投与量は最大で1日8gと本来の半分しかありません。そして、ピペラシリン/タゾバクタムを過量投与した場合の副作用はピペラシリン単独での過量投与でみられる副作用と変化が無く、タゾバクタム単独としての副作用は未だ不明です。これらのことから、移行率が悪い部位の感染にピペラシリン/タゾバクタムを用いなければならない時は、菌の種類やMIC、透析効率として透析液流量やろ過流量、除水量、自尿などを考慮した上で、状況によっては4.5gを1日3回で投与する必要があります。

IPM/CS の投与量

 その他、各ガイドラインで投与量の根拠としている文献を読むことも有効です。イミペネム/シラスタチンを例にしますと、サンフォード感染症治療ガイド2012年では0.5〜1gを12時間ごと、最大で1日2gとされています。その根拠となる2005年のAntimicrobial Agents and Chemotherapyの文献を読みますと、緑膿菌などでMICが4以上の重篤感染症には 1日2gの投与量が必要かもしれないと記載されており、2005年のclinical infectious diseaseの文献でも同様にMICが4以上であるときは1日2gを考慮とされています。これらのことから、対象臓器として移行性がよく感受性が良好である菌をターゲットとする場合、重篤でなければイミペネム/シラスタチンは1日1gの投与量で充分であると判断できます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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