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<スズケンDIアワー> 平成25年2月7日放送内容より スズケン

グリシルサイクリン系抗菌薬 チゲサイクリン


愛知医科大学大学院臨床感染症学教授
三鴨 廣繁

icon チゲサイクリンの作用機序・抗菌活性および耐性

抗菌活性

 チゲサイクリンは、ESBL産生菌、AmpC型β-ラクタマーゼ産生菌、カルバペネマーゼまたはメタロ-β-ラクタマーゼ産生腸内細菌科、NDM-1産生腸内細菌、多剤耐性のアシネトバクター属およびその他の耐性菌を含むグラム陰性菌に抗菌活性を示しますが、緑膿菌、プロテウス属、プロビデンシア属などに対しては無効です。海外では、MRSA、 VREなど耐性グラム陽性菌やレジオネラ属などの非定型菌にも使用されています。
 作用機序は、細菌のタンパク合成阻害であり静菌的に抗菌作用を示しますが、他のテトラサイクリン系と結合部位が異なるため、従来のテトラサイクリン系と交叉耐性を示しにくいのが特徴です。
 AcrABなどの多剤排出トランスポーターの発現によるチゲサイクリン耐性株が報告されていますが、現時点で耐性化が進んでいるわけではありません。

icon チゲサイクリンの用法・用量とPK-PD

チゲサイクリンのESBL産生 E. coliおよびK. pneumoniaeに対する抗菌活性

 チゲサイクリンの用法・用量は、通常成人に、チゲサイクリンとして、初回用量100mg、以降12時間ごとに50mgを30〜60分かけて点滴静脈内投与します。これは、欧米において承認されている用法・用量も同様です。
 チゲサイクリンは静脈内投与後組織へ分布し、血清中濃度は速やかに低下し、その後緩やかに消失し半減期は約56時間です。放射性ラベル体投与後10日間で放射能の約59%が糞便中から回収され、約33%が尿中から回収されることが確認されています。

チゲサイクリンを12時間ごとに60分かけて反復静脈内投与したときのPKパラメータ

 チゲサイクリンの主な排泄経路は、未変化体チゲサイクリンの胆汁排泄であるため、Child Pugh分類Cの重度肝障害を有する患者において、100mg投与後12時間ごとの維持用量を25mgに減ずるのが望ましいとされています。
 チゲサイクリンの細菌学的効果はAUC/MICと相関します。複雑性皮膚軟部組織感染症および複雑性腹腔内感染症において高い細菌学的および臨床効果を得るためのAUC/MICのターゲット値はそれぞれ17.9および6.96と推定されています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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