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<スズケンDIアワー> 平成25年2月14日放送内容より スズケン

COPD治療薬 吸入用グリコピロニウム臭化物


市立岸和田市民病院呼吸器内科
加藤 元一

 本日はCOPD治療薬として10年ぶりに開発されました、グリコピロニウム臭化物、以下グリコピロニウムの特徴につきましてお話しさせていただきます。

icon COPDの疫学

COPDの病態

 COPDは、本邦において推定500万人以上が罹患している、肺の生活習慣病に位置づけられる疾患です。 脳血管系疾患、あるいは心疾患に対する塩分、高脂肪食の問題が喧伝され、近年その数を減じているのとは対照的に、COPD罹患者数は年々その数を増し、死亡者数も16000名を超えるまでに至っています。その原因の主なものは重喫煙です。 1966年における本邦成人男性の喫煙率は、83.7%に達しその頃に喫煙年齢に達していた60歳台後半以後の方はCOPD罹患率が極めて高いものと考えられます。
 その後、喫煙率、タバコ消費量のいずれもが徐々に減少しつつあり、2009年には成人男性喫煙率は38.9%に減少し、喫煙本数は2000億本をきりましたが、それでも男性の1/3は喫煙者であり、今後もCOPD患者数は増加の一途をたどることが予想されます。

icon COPDの診断

 診断における問題点は、COPD患者を発見することが難しいことが挙げられています。慢性に生ずる咳嗽、喀痰はタバコを吸っていれば当たり前と、また労作時呼吸困難は年齢のせいと患者も医師も誤解してしまうことにより診断および治療介入の遅れが生じてしまいます。禁煙外来に「病気ではなく」受診した喫煙者の30%が既に閉塞性換気障害を示していたという私たちの研究からは、病気ではないと思っている喫煙者の30%はCOPDであることが予測され、先生方も外来に呼吸器疾患以外で通院している喫煙患者の30%はCOPDであろうと予測して肺機能検査を行っていただきたく思います。

末梢肺:肺胞と気道の接合消失

 COPDの診断につきましては、短時間作用性交感神経β2刺激薬(SABA)投与後の1秒量が努力性肺活量の70%未満であることと定義されています。 COPD病変の首座は、細気管支病変とされ、COPD患者では細気管支粘膜の線維性肥厚、肺胞と細気管支との接合の断裂が病理学的に認められます。 この変化のため、呼気時における細気管支の閉塞が早期に起こり、体動時の呼吸困難が誘発されます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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