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<スズケンDIアワー> 平成25年2月14日放送内容より スズケン

COPD治療薬 吸入用グリコピロニウム臭化物


市立岸和田市民病院呼吸器内科
加藤 元一

icon COPDの治療

 COPDの治療は、長時間作用性気管支拡張薬の投与により気管支を持続的に拡張させ、特に体動時の呼吸困難を改善することにあります。

安定期COPDの管理

 2009年に発表された日本呼吸器学会COPDガイドラインでは、早期から長時間作用性気管支拡張薬を使用することが推奨され、その第一選択薬は長時間作用性抗コリン薬あるいは長時間作用性交感神経β2刺激薬のどちらかとなっています。

症状のあるCOPD患者で1秒量60%未満の患者には下記を用いる

 また2011年に発表されたアメリカ内科医会のCOPDガイドラインでは、予測値から見た患者の1秒量が60%未満の場合には、長時間作用性吸入抗コリン薬あるいは、長時間作用性吸入交感神経β2刺激薬のどちらかを投与し、その選択に当たっては、患者の好み、費用、副作用の特徴で選択することが推奨されています。
 現在、私たちが使用できる長時間作用性気管支拡張薬としては、抗コリン薬のチオトロピウム、24時間有効性が期待できる交感神経β2刺激薬(いわゆるウルトララバ:Ultra-LABA)のインダカテロール、12時間の効果持続が期待できる、フォルモテロール、サルメテロールがあります。 この中では2012年に報告されたPOETスタディでは、チオトロピウムのサルメテロールに対する優位性が証明されています。
    2012年のヨーロッパ呼吸器学会雑誌(ERJ)に掲載されたペラによるモルモットCOPDモデルを用いた基礎的な実験では、チオトロピウム投与により、好中球数の抑制、杯細胞増生の抑制、線維化の抑制、新生血管の抑制が報告され、抗コリン薬チオトロピウムによりCOPDにおける好中球性炎症が抑制された可能性が報告されています。

icon グリコピロニウム臭化物の特徴

 2012年11月、10年ぶりに新規に開発された長時間作用性抗コリン薬であるグリコピロニウム臭化物(開発番号NVA-237:商品名シーブリ)が発売されました。

 本薬剤と、プラセボとを比較したGlow1 studyでは、グリコピロニウム群では、投与1日後、12週後、26週後にプラセボと比べそれぞれ、105mL、108mL、113mLの1秒量の改善が得られ、統計学的にもp<0.001と有意な改善を示しました。

 また、呼吸困難の指標であるTDIフォーカルスコアは、投与26週後において、プラセボに比し1.04という著明な改善を示し、呼吸困難感というCOPD患者において、最も苦痛を感じる症状の改善が認められたことは、患者の本薬剤に対する印象の上でも有効性が実証されました。 COPD患者の予後を規定する重要な要素である増悪にフォーカスを当てますと、グリコピロニウム投与群では、増悪までの日数が有意に延長し、長期予後の改善、COPD死の抑制を期待できることが強く推察されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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