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<スズケンDIアワー> 平成25年2月21日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(41)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon ヴォトリエント錠

 有効成分は、パゾパニブ塩酸塩で、グラクソ・スミスクラインの開発です。パゾパニブ塩酸塩は、チロシンキナーゼ阻害作用を有し、本剤は、「悪性軟部腫瘍」を効能・効果とします。既存の抗悪性軟部腫瘍用薬とは、薬理作用、化学構造式、投与形態等が異なり、類似薬はないと判断され、薬価算定については原価計算方式により行われました。営業利益率については、平均的な営業利益率19.1%が適用されました。


icon メサペイン錠

 有効成分は、メサドン塩酸塩で、帝国製薬の開発です。メサドン塩酸塩は、求心性痛覚伝導路抑制作用及び下行性痛覚抑制系賦活による鎮痛作用を有し、本剤は、「他の強オピオイド鎮痛剤で治療困難な中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛」を効能・効果とします。既存の強オピオイド鎮痛剤とは効能・効果、臨床的位置づけが異なっているなど、類似の効能・効果、薬理作用等を有する既収載品がなく、類似薬はないと判断され、薬価算定については原価計算方式により行われました。営業利益率については、平均的な営業利益率19.1%が適用されました。


icon ジプレキサ筋注用

 有効成分は、オランザピンで、日本イーライリリーの開発です。オランザピンは、抗ドパミン作用及び抗セロトニン作用を有し、本剤は、「統合失調症における精神運動興奮」を効能・効果とします。既に経口剤があるところに、注射剤が開発されたものであることから、薬価算定は、ジプレキサ錠を比較対照薬に類似薬効比較方式Tにより行われました。注射剤の薬価から経口剤の薬価を求める剤形間比としては、同じ統合失調症を効能・効果とするチミペロンの製剤であるトロペロン錠と同注の剤形間比3.6183が用いられました。なお、算定価格が外国平均価格の4分の3を下回ることから、外国平均価格調整による引き上げが行われました。

icon アイリーア硝子体内注射液

 有効成分は、遺伝子組換えのアフリベルセプトで、バイエル薬品の開発です。アフリベルセプトは、VEGF阻害作用を有し、本剤は、「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」を効能・効果とします。薬価算定については、薬理作用が同一で、効能・効果等が類似する、遺伝子組換えのラニビズマブの製剤であるノバルティス ファーマのルセンティス硝子体内注射液を比較対照薬に、類似薬効比較方式Tにより行われました。なお、本剤及び比較薬の1日薬価は、第V相臨床試験の平均投与間隔を基に算出されています。

icon ソマチュリン皮下注

 有効成分は、ランレオチド酢酸塩で、帝人ファーマの開発です。ランレオチド酢酸塩は、下垂体ソマトスタチン受容体刺激作用を有し、本剤は、「外科的処置で効果が不十分な場合又は施行が困難な場合の先端巨大症又は下垂体性巨人症における成長ホルモン、IGF-I(ソマトメジン-C)分泌過剰状態及び諸症状の改善」を効能・効果とします。薬価算定については、薬理作用が同一で、効能・効果等が類似する、オクトレオチド酢酸塩の製剤である、ノバルティス ファーマのサンドスタチンLAR筋注用を比較対照薬に類似薬効比較方式Tにより行われました。なお、筋注薬の薬価から皮下注薬の薬価を求める剤形間比としては、類似薬から剤形間比を求めることができないことから「1」が用いられました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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