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<スズケンDIアワー> 平成25年4月11日放送内容より スズケン

腸管アメーバ症治療薬 パロモマイシン硫酸塩


獨協医科大学越谷病院感染制御部教授
春木 宏介

赤痢アメーバ症の国内感染報告数

 国内における感染症例は2000年には約370例であったものが2010年には840例を超えています。うち8割が腸管アメーバ症で占められています。 腸管外アメーバ症との併発例を含めると9割が腸管感染例となります。

腸管アメーバ症と腸管外アメーバ症

 形態学的にはトロフォゾイトと呼ばれる栄養型と嚢子に分類されます。急性期の感染では糞便や膿瘍から栄養型が検出されます。感染後期や健康保虫者からは嚢子が糞便中に観察されます。この嚢子が感染源となるため重要です。感染様式はこの嚢子を経口摂取することによっておこります。接種された嚢子は胃酸の刺激によって栄養型になり二分裂によって増殖します。そして大腸粘膜に侵入し病理学的にいうフラスコ型潰瘍を形成します。これが赤痢アメーバといわれる病態です。

アメーバ赤痢栄養型

 症状は腹痛ですが細菌性赤痢と異なり激痛、いわゆるテネスムスの状況をきたすことは少ないのが特徴です。発熱も細菌性赤痢のように高熱である場合は少ないといえます。便の性状は粘血便でイチゴゼリー状と表現されます。また血流にのり肝臓やほかの臓器に膿瘍を形成する場合もあります。これが腸管外アメーバ症です。2003年から2006年までの間に約10例が腸管外アメーバ症で死亡しています。治療についてはニトロイミダゾール系薬剤であるメトロニダゾールやチニダゾールが急性期の栄養型に対して強い抗原虫作用を発揮します。しかしながらこれらの薬剤は嚢子にはあまり効果が期待されず40−60%の患者が治療後嚢子を排泄しています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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