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<スズケンDIアワー> 平成25年5月2日放送内容より スズケン

DI実例集(178)医薬品評価における抗菌薬の特徴


広島大学病院薬剤部薬剤主任
冨田 隆志

icon おわりに

 新薬承認時の対応

 近年設けられた感染対策防止加算では,感染防止対策チーム(Infection Control Team,以下,ICT)を設け,抗MRSA薬や広域抗菌薬等の使用に関する届出制等をとり,実態を把握したうえで投与方法の適正化をはかることが求められています。届出制や許可制の是非については賛否様々な意見があるところですが,ICTが院内における抗菌薬の使用に関する一定の制限を課すことには施設としてのコンセンサスを得やすい環境にあると言えるでしょう。
 当院でも,現在一部の抗菌薬について届出制,許可制をとっているほか,大部分の注射用抗菌薬について,使用状況を週3回リスト化し,長期使用例等への介入を行っています。基本的には使用状況を把握したうえで,不適切さを認めた場合に介入することを優先しています。
 ICTが抗菌薬の採用そのものに直接的に関与することはあまりありませんが,新たな抗菌薬の上市に際しては,その薬剤をどう位置づけていくかを検討します。承認前の段階で薬剤師からICTミーティングで新薬についての情報提供を行い,監視対象に加えるにとどめるのか,許可制などの対象にするのか,協議を提起しています。
 病棟薬剤業務実施加算において,医薬品情報室には迅速な対応が必要な医薬品安全性情報を把握した際に,当該医薬品の処方医や投与を受けた患者を特定し,必要な措置を講じる体制を備えることが求められています。
 本来であれば,このような安全性情報対応に限らず,すべての医薬品の使用状況を積極的に監視,モニタリングできることが望ましいと言えます。とはいえ,DI部門が全ての医薬品のモニタリングを一手に引き受けるのは実際にはほとんど不可能です。また,専門領域が増え,それぞれの領域で日々新しい情報が発信されている昨今,DI部門が専門家と同水準の情報取集を常に行うことは困難です。数多くの医薬品の適正使用を担保していくには,院内に存在する各種医療チームや病棟担当薬剤師を巻き込み,あるいはその活動を支え,協働していくことが必要になります。医薬品の評価,位置づけの確立には専門分野に精通しているスタッフの評価を加味することが必要でしょうし,採用後のモニタリングも分担していく必要があるでしょう。
 DI部門には,こういった医薬品活用と安全,適正使用の担保の,司令塔としての役割が求められていると考え,当院でも体制整備に取り組んでいます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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