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<スズケンDIアワー> 平成25年5月9日放送内容より スズケン

低リン血症治療薬 リン酸二水素ナトリウム一水和物・無水リン酸水素二ナトリウム


大阪大学大学院小児科学教授
大薗 恵一

 本日は低リン血症治療薬であるリン酸2水素ナトリウム1水和物・無水リン酸水素2ナトリウムの話をしたいと思います。まず、はじめに、本製剤の適応症である低リン血症のお話をさせていただきます。

icon 生体でのリン恒常性調節機構

 リンは、生体にとって必須成分である、脂質、蛋白質、核酸の構成要素であり、また、エネルギーを貯蔵するATPもリン酸化合物です。さらに、リン酸はカルシウムとともに結晶を形成して、骨に強度を与えます。血中のリン濃度は、カルシウムと同様に厳密に一定の範囲内となるようにコントロールされています。

生体でのリン恒常性調節機構

 血中リン濃度調節には、吸収の場としての腸、貯蔵の場としての骨、および排泄の場としての腎が重要であり、各臓器の相互作用により行われています。また、急性の変化としては、細胞内への取り込みおよび細胞からの放出も重要であります。

腎近位尿細管におけるリン酸再吸収機構

 腎におけるリン再吸収の主な部位は近位尿細管で、管腔側の刷子縁に存在するNa-P共輸送体を介して、原尿中から尿細管内に取り込まれます。このリンの再吸収を抑制する因子としては、繊維芽細胞増殖因子23(FGF23)、副甲状腺ホルモン(PTH)、グルココルチコイド、高リン食などがあります。Na-P共輸送体としては、腎においてはIIa型およびIIc型が重要で、腸管でのリン吸収にはIIb型が関わります。  前述のように、リンはカルシウムとともにハイドロキシアパタイトという結晶を形成し、I型コラーゲン上に沈着して、骨に強度を与えます。従って、リンあるいはビタミンDが欠乏しますと、子どもではくる病、成人では骨軟化症となります。

くる病

 くる病•骨軟化症の原因としては、ビタミンD欠乏症が最も多く、この場合、通常はリンもカルシウムも不足した状態となります。これに対して、主として尿中へのリン酸過剰排泄を伴って、血清リン値のみが低下した状態でも、くる病をきたすことがあり、これを総称して低リン血性くる病と呼びます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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