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<スズケンDIアワー> 平成25年5月23日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(42)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

前回の放送以降薬価基準に収載された新医薬品の薬価算定根拠について説明します。


icon コレアジン錠

 有効成分は、テトラベナジンで、「ハンチントン病に伴う舞踏運動」を効能・効果とします。テトラベナジンは、モノアミン小胞トランスポーター2(VMAT2)の選択的阻害作用を有します。総合的にみて、類似の効能・効果、薬理作用等を持つ薬剤はないと判断され、薬価算定については原価計算方式により行われました。なお、営業利益率については、平均的な営業利益率19.1%が適用されています。


icon トビエース錠

 有効成分は、フェソテロジンフマル酸塩で、「過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁」を効能・効果とします。フェソテロジンフマル酸塩は、経口投与後、非特異的エステラーゼによって活性本体であるトルテロジン5-ヒドロキシメチル体に速やかに分解され、抗ムスカリン作用により膀胱平滑筋弛緩作用を示します。薬価算定については、本剤が補正加算の要件に該当せず、薬理作用が類似する薬剤がすでに3つ以上薬価基準に収載されていることから、類似薬効比較方式Uにより行われました。具体的には、もっとも低い値であった過去10年間の薬理作用類似薬の平均1日薬価と合わせることとされました。

icon ホスリボン配合顆粒

 有効成分は、リン酸二水素ナトリウム一水和物と無水リン酸水素二ナトリウムの配合剤で、リンの補充を薬理作用とし、「低リン血症」を効能・効果とします。総合的にみて、類似の効能・効果、薬理作用等を持つ薬剤はないと判断され、薬価算定については原価計算方式により行われました。本剤は従来の院内製剤を製剤化したものであり、革新性が高いとは言えないものの、開発にあたっては、乳幼児も服用が可能となるように顆粒剤とした上で、1歳以上14歳以下の患者を対象に治験が実施されていることから、営業利益率については、減算率を5%にとどめることとし、18.1%が適用されました。

icon エリキュース錠

 有効成分は、アピキサバンで、ブリストル・マイヤーズの開発です。アピキサバンは、活性型血液凝固第]因子を選択的に阻害することにより血液凝固系を阻害し、血栓形成を抑制する作用を有し、「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」を効能・効果とします。薬価算定については、薬理作用、効能・効果等が同一の、リバーロキサバンの製剤であるイグザレルト錠を比較対照薬に類似薬効比較方式Tにより行われました。

icon エルカルチンFF内用液及び静注

 有効成分は、レボカルニチンで、「カルニチン欠乏症」を効能・効果とします。レボカルニチンは、食事による摂取と生体内での生合成により供給される生体内物質で、細胞毒であるアシル化合物をカルニチンエステルとして細胞内より除去し尿中へ排泄する役割などを有します。レボカルニチン塩化物の錠剤がすでに承認されているところ、本剤は、乳幼児や急性期の患者並びに経口投与できない患者に対しての投与をめざして、剤形の追加が行われたものです。したがって薬価算定については、既存の錠剤を比較対照薬に類似薬効比較方式Tにより行われました。なお、本剤及び比較対照薬とも1日薬価は、投与対象を考慮し、小児の用法・用量をもとに算出され、また、内用液については、外国平均価格の1.5倍を上回ったことから、引き下げが行われました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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