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<スズケンDIアワー> 平成25年5月30日放送内容より スズケン

添付文書の中の副作用(35) 白質脳症


帝京大学名誉教授
清水 直容

icon 白質脳症が添付文書の副作用欄に記載のある医薬品

 添付文書にその記載のある医薬品はJAPIC医療用・一般用医薬品集2012のCD−ROMの検索では、商品名では175品目、一般名で29品目ありました。
 効能・効果の分類では抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、抗リウマチ剤、多発性硬化症剤、抗葉酸剤、プロテアソーム阻害剤、抗VEGF(血管内皮増殖因子)剤には添付文書を見る必要があると考えます。
 時間の関係で、本日は次の5つの医薬品だけを読ませていただきます。
 まず、シクロスポリン(免疫抑制剤)ですが、進行性多巣性白質脳症(PML)と書いてあります。これがあらわれることがあるので、治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害などの症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うという記載であります。頻度不明とも書かれています。
 第2番目にシスプラチン(抗悪性腫瘍の白金錯化合物)では、白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む、頻度不明)が、あらわれることがあるので、歩行時のふらつき、舌のもつれ、けいれん、頭痛、錯乱、視覚障害などが認められた場合は中止し、適切な処置を行うと記載されております。
 3番目ですが、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(抗悪性腫瘍剤)です。
 そこには、白質脳症などを含む精神神経障害として、白質脳症(意識障害、小脳失調、認知症様症状等を主症状とする)と記載されていますが、それに意識障害、失見当識、傾眠、記憶力低下、錐体外路症状、言語障害、四肢麻痺、歩行障害、尿失禁、知覚障害(いずれも頻度不明)があらわれることがあるので観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には使用を中止すると記載されています。
 4番目にタクロリムス(免疫抑制剤)ですが、その他の副作用欄に、次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて減量、休薬などの適切な処置を行う(発現頻度は顆粒、カプセルの肝移植、骨髄移植及び腎移植での成績に基づいている)との記載に続いて、可逆性後白質脳症症候群、高血圧性脳症などの中枢神経系障害(0.1〜5%未満)があらわれることがあるので、全身けいれん、意識障害、錯乱、言語障害、視覚障害、麻痺などの症状があらわれた場合には、神経学的検査やCT、MRIによる画像診断を行うとともに、本剤を減量または使用中止し、血圧のコントロール、抗けいれん薬の投与など適切な処置を行うと記載されています。
 5番目に、シタラビン(代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤)の大量療法用のその他の注意には、通常量療法では承認外投与経路である髄腔内投与でメトトレキサートと併用された症例(しばしば放射線照射も併用されている)でまれに白質脳症などの中枢神経系障害が報告されていると記載されております。

 

提供 : 株式会社スズケン



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