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<スズケンDIアワー> 平成25年6月6日放送内容より スズケン

直接作用型第]a因子阻害経口抗凝固薬 アピキサバン


心臓血管研究所 所長
山下 武志

 日本における非弁膜症性心房細動患者に対する抗凝固療法として、長年にわたりワルファリンが使用されてきましたが、新規経口抗凝固薬として2011年にダビガトランが発売され、昨年よりリバーロキサシンが使用可能となりました。そしてこれからご紹介する第Xa因子阻害剤のアピキサバン(商品名:エリキュース)が今年から臨床で使用できるようになり、非弁膜症性心房細動患者に対する抗凝固療法の選択肢はさらに広がりました。
 新しく上市されたアピキサバンを理解し、新たな選択肢として使用していく上で、基本となるアリストテレス試験についてお話したいと思います。

icon アリストテレス試験の概要

 アリストテレス試験は、脳卒中の危険因子である 年齢75歳以上、脳卒中やTIA、または全身性塞栓症の既往歴、心不全、糖尿病、薬物治療を必要とする高血圧のうち一つ以上を有する患者さんを対象としています。除外基準としては、人工心臓弁、重症腎不全、アスピリンとチエノピリジン系抗血小板薬を必要とする患者さんです。本試験は、日本を含む39カ国が参加したグローバル試験で、約18,000例の患者さんが組み入れられました。試験方法は、ダブルブラインド・ダブルダミーで、アピキサバン5mg1日2回群とINRを2〜3にコントロールされたワルファリン群の無作為比較が行われました。

icon アリストテレス試験成績から

1次エンドポイント: 脳卒中 (虚血性または出血性)または全身性塞栓症のKaplan-Meier曲線

 アリストテレス試験の結果ですが、アピキサバン群では有効性に関する主要評価項目である「脳卒中または全身性塞栓症の発現」をワルファリン群に比較して相対リスクを21%低下しました。

主要な安全性の結果:大出血のKaplan-Meier曲線

 さらに、安全性に関する主要評価項目である「大出血の発現」については31%もの相対リスクの低下を果たしました。その結果として、全死亡においても有意に11%の減少を示しました。アピキサバンは、ワルファリンに比べて、有効性・安全性の両面で優越性を示し、さらに全死亡においても減少が示されました。この結果は、これまでのダビガトラン、リバーロキサバンの臨床試験結果に比べ、バランスの良いものであり、その臨床応用に期待が持てます。
 それでは、アピキサバンをさらに理解していく上で、アリストテレス試験を紐解いていきましょう。
 まずは、患者背景から少し述べたいと思います。脳卒中の危険因子であるCHADS2スコアの分布については、1点以下、2点、3点以上と3分の1ずつに分かれており、幅広い患者層が網羅されています。リスクとして多かったものは、高血圧が9割、75歳以上が3割、心不全が3割でした。実際の臨床現場では「75歳以上の高齢者」「高血圧」という組み合わせが多くなっていることから、日常診療でみられる患者さんが多く含まれていると考えてよいと思います。
 新規抗凝固薬の使用にあたり注意すべき腎機能低下例ですが、本試験ではCcr50以下の中等度以上の腎機能低下例については、16%を占めていました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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