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<スズケンDIアワー> 平成25年6月13日放送内容より スズケン

医薬品・医療機器等安全性情報−最近の話題(32)「医薬品リスク管理計画」の実施について−


NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男

icon 安全性検討事項

安全性検討事項の特定

 「安全性検討事項」については,開発段階で得られた情報や市販後の副作用報告などから明らかとなったリスクのうち,医薬品のベネフィット・リスクバランスに影響を及ぼしうる,又は保健衛生上の危害の発生・拡大の恐れがあるような重要なものについて,「重要な特定されたリスク」,「重要な潜在的リスク」,「重要な不足情報」の3つのリスク・情報を特定することが求められます。
 例えば,臨床データにおいて医薬品との関連性が確認されている場合や市販後に多くの自発報告があり時間的関連性などから因果関係が示唆される場合など,関連性に十分な根拠がある重要な副作用は「重要な特定されたリスク」とされ,非臨床データから予測される又は同種同効薬では認められているものの,当該医薬品の臨床試験では確認されなかった重大な副作用は「重要な潜在的リスク」とみなされます。また,高齢者や腎・肝機能障害患者など臨床試験の対象から除外されていた患者集団であるものの実地医療では高い頻度での使用が想定される場合など,安全性を予測するにあたり不足している情報は「重要な不足情報」と位置づけられます。

icon 医薬品安全性監視計画

医薬品安全性監視計画

 「医薬品安全性監視計画」とは,特定された「安全性検討事項」を踏まえて,情報を収集するために市販後に実施される調査・試験の計画であり,これには「通常の医薬品監視活動」と「追加の医薬品監視活動」があります。
 全ての医薬品では,通常,市販後に副作用症例や文献情報等の収集が行われますがこれは「通常の医薬品安全性監視活動」であり,これに加えて実施されるもの,例えば新医薬品における「市販直後調査」や再審査・再評価申請のために実施される「使用成績調査」や「製造販売後臨床試験」などは「追加の医薬品安全性監視活動」に位置づけられます。

icon リスク最小化計画

リスク最小化計画

 「リスク最小化計画」は,開発段階で得られた情報や市販後の副作用報告などから明らかとなったリスクを最小に抑えるための安全対策の計画です。
 どのような副作用が起こり得るのか,どのような患者で注意が必要なのかといった情報は「使用上の注意」として添付文書に記載されます。しかし,このような情報提供は,通常全ての医薬品に共通して行われる基本的な安全対策であり「通常のリスク最小化活動」にあたります。また,医薬品によっては重大なリスクの更なる低減のために,市販直後調査による医療関係者への頻繁な注意喚起や重要な注意を要する医薬品について適正使用を周知するための資材の配布を行う場合や,登録した医師のみ処方を可能とする,患者にインフォームドコンセントを得たうえで投与するといった条件を設定する場合があります。これらは通常行われる添付文書による情報提供に加えて実施されるものであり,「追加のリスク最小化活動」に位置づけられます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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