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<スズケンDIアワー> 平成25年6月27日放送内容より スズケン

レノックス・ガストー症候群治療薬 ルフィナミド


東京女子医科大学名誉教授
大澤 眞木子

icon はじめに

 Lennox-Gastaut症候群は難治性てんかんの一つで、強直発作をはじめとする様々なてんかん発作を起こしますが、一種類の抗てんかん薬で発作症状を抑えるのは難しく複数の薬剤を併用する必要があります。2013年3月にこの治療薬としてルフィナミド(商品名:イノベロン)が加わりました。
 ルフィナミドは欧州では2007年1月、米国では2008年11月に承認されています。日本では、2007年10月に厚生労働省の私も委員をしておりました「未承認薬使用問題検討会議」において、対象疾患の重篤性から、国内で早急に治験を開始するとともに、海外データの活用も積極的に検討して日本での適応を検討するべきと結論づけられました。そこで、エーザイが日本人LGS患者を対象とした臨床開発を開始し、2012年8月に承認申請を行い、2013年3月に5年のdrug lagを経て日本で承認されたものです。「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないLennox-Gastaut症候群(LGS)における強直発作及び脱力発作に対する抗てんかん薬との併用療法」を効能・効果として承認されています。2011年6月10日に希少疾病用医薬品に指定されています。

icon ルフィナミドの概略

理化学的知見

 ルフィナミドは、Ciba-Geigy社(現Novartis Pharma AG社)が創出したトリアゾール骨格を有する新規化合物です。

薬効薬理作用機序

 本剤は、非臨床試験の結果から、運動系に影響を及ぼさない用量で抗痙攣作用を示すことが明らかになっています。作用機序は確定していませんが、ラット大脳皮質神経細胞のナトリウムチャネル持続的脱分極性プレパルス後の不活性化状態からの回復を低濃度から遅延させた。および マウス脊髄神経細胞の脱分極性通電パルスによるナトリウム依存性活動電位の持続性高頻度発火を低濃度から抑制した。というin vitro 試験結果から、電位依存性ナトリウムチャネルにおけるNa+の流入を抑制することにより興奮性伝達を抑制し、神経膜を安定化させることにより抗痙攣作用を示すと推定されています。 すなわち、中枢神経系の電位依存性ナトリウムチャネルにおける高頻度発火を抑制する抗てんかん薬です。
 日本で承認されたルフィナミド(商品名:イノベロン)は100mg錠と200mg錠があり、一錠中にルフィナミド100mgまたは200mgが含有されています。淡赤色の割線入りフィルムコーティング錠で、添加物としてクロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、酸化チタン、三二酸化鉄、ステアリン酸マグネシウム、タルク、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、ヒプロメロース、マクロゴール6000、ラウリル硫酸ナトリウムを含有します。

ルフィナミドの効能・効果

 Glauser, T. らが2008年Neurology 70巻(21)号 1950-8に報告したデータによりますと、強直・脱力発作頻度の変化率はプラセボでは1.4%増したのに対し、ルフィナミドでは42.5%減少しており、総発作頻度でもプラセボ群で11.7%の減少に過ぎなかったのがルフィナミドでは32.7%減少しており、有意にルフィナミドの方が発作が減少しています。特に前者での効果が著明でしたが、新しく承認されたルフィナミドの効能・効果が「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないLennox-Gastaut症候群における強直発作及び脱力発作に対する抗てんかん薬との併用療法」とされているのだと思います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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