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<スズケンDIアワー> 平成25年7月4日放送内容より スズケン

DPP-4阻害糖尿病治療薬 サキサグリプチン水和物


東京医科大学第三内科教授
小田原 雅人

icon はじめに

 日本糖尿病学会編の糖尿病治療ガイドには、糖尿病治療の目標が記載されています。糖尿病治療の最終目標は、単に血糖コントロールを良好に保つことだけではなく、合併症の発症や進展を阻止し、健康な人と変わらないQOLを達成することです。この目標を1日でも早く実現できるよう、血糖コントロールとその先を見据えた治療を考えていかなければなりません。そのためには、食事療法、運動療法が基本となりますが、血糖コントロールが不十分であるときは薬物療法を考慮します。
 本日は、この薬物療法の新たな選択肢として発売されたDPP−4阻害薬サキサグリプチン水和物(以下サキサグリプチン)について紹介します。

icon サキサグリプチンの特徴

サキサグリプチンの強固な共有結合によるDPP-4阻害

 食物の摂取により消化管から分泌されるインクレチンは、膵臓のβ細胞を刺激し、インスリン分泌を増強させる消化管ホルモンです。サキサグリプチンは、このインクレチンの分解酵素であるDPP−4を阻害し、血糖降下作用を有します。
 サキサグリプチンはDPP−4のセリン残基と強固な共有結合で強く、また長く結合し、選択的にDPP−4を阻害することが知られています。このため、1日1回の投与で良好な血糖降下作用が得られます。
 第U相試験におけるサキサグリプチンの臨床成績を紹介します。

HbA1c(NGSP)の推移及び変化量

 食事療法、運動療法を実施しても血糖コントロール不十分な2型糖尿病患者に、1日1回通常用量である5rを12週投与した結果、ヘモグロビンA1cの、0.9%の低下が認められました。サキサグリプチンは、単独でも良好な血糖降下作用がありますが、実地臨床では患者の病態により、さまざまな血糖降下薬と併用することも多々あります。
 現在、発売されているDPP−4阻害薬の中には、薬剤の開発時に併用薬との検討がなされていないことにより、一部の経口血糖降下薬と併用できない薬剤もありますが、サキサグリプチンは、新しい経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドラインに基づき、単独療法の長期投与試験に加え、併用される可能性のある経口血糖降下薬である、スルホニル尿素薬、α‐グルコシターゼ阻害薬、ビグアナイド薬、チアゾリジン薬、及び速効型インスリン分泌促進薬との組み合わせの併用試験を実施し、有効性が確認されました。その結果、効能・効果は2型糖尿病となり、作用機序の異なる全ての経口血糖降下薬と併用することができます。また、新たなガイドラインに基づいて開発されたため、インスリンとの併用も可能です。治療の選択肢を遮らず、さまざまな病態の患者に処方できる使いやすい薬剤と言えます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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