獨協医科大学 名誉学長 原田 尚
関節リウマチの治療薬;イグラチモド

この薬は、関節リウマチとの病態も関連性が示唆される腫瘍壊死因子、炎症性サイドカイン、免疫グロブリンの産生を抑制します。
投与にあたり全例調査の条件がついています。
1日1回25rを朝食後、経口投与し、これを4週間以上続けますが、その後は1日2回25rを朝食後、夕食後に経口投与します。
副作用は58%に見られ、ALT、ASTの上昇などです。
末端巨大症の治療薬;ランレオチド酢酸塩徐放剤

この薬は、ソマトスタチンアナログ徐放薬で、注射における針事故を防ぐように考案された針をつけたプレフィルドシリンジ薬です。
先端巨大症、下垂体巨人症における外科的治療で十分な効果が得られない、あるいは治療困難症例において、成長ホルモン、IGF-1過剰分泌及び臨床症状の改善を目的とします。
4週間に一度、90rを3カ月間、皮下深部に注射します。その後は病状に応じて本薬60r、90r、120rを4週間ごとに注射します。
副作用は86%に見られ、注射部位の硬結、下痢などです。
前立腺がん治療薬;デガレリクス酢酸塩徐放剤

この薬は、テストステロン産生を抑制することによって、アンドロゲン依存の腫瘍の増殖を抑制します。その効果は長時間持続します。
1カ所120rを腹部2カ所に皮下注射します。その4週間後から、維持量として80rを腹部1カ所に注射し、4週間ごとにこれを繰り返します。
副作用は64%に見られ、注射部位の疼痛及び硬結などです。
悪性軟部腫瘍治療薬 パゾパニブ塩酸塩

この薬は、血管内皮増殖因子受容体、血小板由来増殖因子受容体並びに幹細胞因子受容体の活性を阻害するチロシンキナーゼ阻害薬です。
オーファンドラッグであり、投与には全例調査の条件がついています。
800rを食事1時間以上前、あるいは2時間以上後に経口投与します。
副作用は91%に見られ、下痢、疲労などです。
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