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<スズケンDIアワー> 平成25年7月25日放送内容より スズケン

アルコール依存症治療薬 アカンプロサートカルシウム


国立病院機構久里浜医療センター院長
樋口 進

icon アカンプロサートの臨床試験成績

国内臨床試験結果: 完全断酒率

 国内の臨床試験では心理社会的治療の補助として使用することにより、治験薬を24週間投与した後の完全断酒率、つまり、治験薬が投与された全ての患者のうち、24週間全くお酒を飲まなかった患者の割合は、アカンプロサート群が47.2%であるのに対して、プラセボ群は36.0%でした。アカンプロサートのプラセボに対する有意に高い効果が確認された訳です。アルコール依存症からの回復は難しく、これまで多くの治療に関する工夫や努力がなされたにもかかわらず、断酒率の向上には、なかなかつながりませんでした。24週の断酒率をプラセボに比べて11ポイントも上げている本薬は、アルコール依存症の治療にとって非常に大きな意味を持っていると思います。

効能・効果

 しかし、この薬は万能ではありません。あくまで「断酒の補助薬」であって、やはり治療の中心は、断酒教育、カウンセリング、小集団療法、認知行動療法などといった従来の心理社会的治療です。わが国で行われた治験の成績を見ても、このアカンプロサートが心理社会的治療の効果を強める傾向が確認されています。
 断酒を続ける上で、もう一つ大切なものがあります。それは、断酒会やAAといった自助グループです。以前に、自助グループのメンバーから、アルコール依存症の回復には、本人の心の変化が重要で、安易に薬物に頼るのはよくない、という指摘がありました。アカンプロサートは、あくまで、この自助グループの効果を補助的に強めてくれるもの、と考えていただきたいと思います。飲酒によってそこなわれた人間関係を再建するといった回復プロセスには、薬ではなく、人と人の関わりが重要なのは言うまでもありません。

 

提供 : 株式会社スズケン



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