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<スズケンDIアワー> 平成25年8月1日放送内容より スズケン

DI実例集(179)電子メールを用いた院内医薬品に関する情報伝達システム


岡山大学病院薬剤部長
千堂 年昭

icon はじめに

 薬剤師は医薬品の情報を管理したうえで、必要に応じて他の医療従事者と情報を共有し、情報を有効に利用する必要があります。先般の診療報酬改定においても、薬剤師による情報の積極的活用に対する評価として平成22年度の医薬品安全性情報等管理体制加算、さらに、それを踏まえる形での平成24年度の病棟薬剤業務実施加算が設定されています。特に、医薬品の重大な副作用の発生や、施設内で使用されている医薬品の供給にかかわる情報などは、迅速に関係者に通知し、対策の必要な情報だと考えられます。薬剤師から医師に対して医薬品情報を提供する手段について有用性を検証しましたので紹介します。

icon 国内で入手できる主な情報源

安全性情報伝達の流れ

 新たに生じた重篤な副作用情報は、厚生労働省医薬食品局が発行している医薬品・医療機器等安全性情報、日本製薬団体連合会が発行するDrug Safety Update、製薬企業が作成する緊急安全性情報や添付文書改訂に伴う通知文書により入手できます。これらの情報の中で、医薬品・医療機器等安全性情報およびDrug Safety Updateは、月に一度発行され、資料の区分としては、既に報告されている内容の集積である二次資料となります。それに対して、使用上の注意改訂などの製薬企業が発行する情報は一次資料であり、医療情報担当者MRを通じて適宜提供されますが、これはインターネットを介して積極的に入手することもできます。医薬品の供給に関する情報は製薬企業が医薬品流通に変化があった場合に発行する通知文書や、医薬品卸の在庫情報から入手できます。これらの情報源から入手された医薬品の安全性情報や供給情報については、薬剤師は情報を周知する必要性や迅速性を判断したうえで伝達する手段を選択する必要があると考えます。たとえば、重篤な副作用が発生し、患者の死亡例が認められた場合や院内で繁用される薬剤の供給がストップした場合などでは、情報を迅速かつ正確に通知する必要があります。この際、情報を提供する医師を限定することで、医師にとって必要と考えられる情報だけが通知されるため、情報提供を効率化でき、さらに情報の重要性が認識されやすくなります。一方で、情報の緊急性が低いと判断された場合には定期的な院内の情報紙(DI news)による通知を活用します。また、情報の緊急性が高いと判断し、電子メールで情報を提供した事例についても、リマインドの観点からDI newsにより再度通知します。

icon 病院の特性に適した情報伝達方法

一般的な情報伝達手段の比較

 岡山大学病院は教育・研修施設であることから研修医やレジデントを含めて800名を超える医師および歯科医師が在籍しています。病院内での情報伝達手段としては、口頭による直接伝達、電話、院内郵便のほか、電子メールによる情報伝達が考えられます。病院の特性上、一度に多数の医師に伝達でき、送信した情報が記録として残る情報伝達方法が望ましいと考えられます。電子メールを用いる利点として、一回の送信で複数の受信者に同一の情報を送信でき、画像や文書を添付して送信できること、基本的に送信から受信までのタイムラグがほとんど無いこと、そして送信あるいは受信した内容が記録として残ることなどが挙げられます。一方、問題点として、停電時やインターネット回線の障害時に情報伝達が行えないこと、いわゆる「スパムメール」の問題で、重要なメールであったとしても意図的に読まれない可能性があります。さらに、一般的に公文書等の重要な情報は紙媒体で配布されることが多く、電子メールによる情報伝達は軽視される場合があります。 このような背景を踏まえて、電子メールを用いた情報伝達が情報の受信者である医師に有効に利用されているのか、アンケート調査を行いました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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