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<スズケンDIアワー> 平成25年8月8日放送内容より スズケン

慢性リンパ性白血病治療薬 オファツムマブ(遺伝子組換え)


名古屋第二赤十字病院 血液・腫瘍内科部長
小椋 美知則

icon オファツムマブ(遺伝子組換え)の登場

日本における主な治療選択肢

 本邦では治療適応のある初発CLLにはフルダラビン、シクロフォスファミドを単剤もしくは併用で使用し、再発CLLに対しては初回治療で使用しなかった薬剤を使用しますが、今までは使用可能な薬剤は極めて限定された状況でした。
 こうした中、再発・難治CLLに対して、単剤での有効性が期待できる新薬として新規抗CD20ヒト化モノクローナル抗体のオファツムマブ(遺伝子組換え)〜以下オファツムマブ〜が欧米と本邦の治験成績をもとに承認、上市されました。B細胞表面にあるCD20抗原は大ループと小ループからなり細胞膜を4回貫通するタンパクで、リツキシマブは大ループにのみ結合します、一方、オファツムマブはリツキシマブと異なりCLL細胞表面のCD20抗原の大ループと小ループの両方に強力に結合し、CD20抗原発現が少ない細胞でもリツキシマブと比べてより強い殺細胞効果を発揮することがin vitroで証明されています。
 欧米では、フルダラビンおよびalemtuzumabに抵抗性もしくは、フルダラビンに抵抗性でかつ巨大リンパ節腫瘤を有する、極めて難治性のCLL223例を対象としたオファツムマブ単剤での臨床第II相試験によって、47%の奏効率が示され、このpivotal studyの結果を基に、欧米でオファツムマブは再発・難治性CLLに対して承認されました。

icon 日韓共同治験成績から

 本邦では1000mgまでの投与量での第I相試験に引き続いて、欧米でのCLLに対する承認用量である2000mgでの第I/II相試験を日韓共同治験として実施しました。
 対象は1レジメン以上の化学療法での既治療の再発・難治CLLの20歳以上の患者で、CD5, 19, 20, 23が陽性の末梢血中のBリンパ球数が5000/μL以上あり、ECOGのPSが0?1などの条件を満たす患者です。主要評価項目は第I相部分のpart Aでは用量制限毒性(DLT)の評価、すなわち忍容性であり、第I相と第II相を合わせたpart Bでは奏効率すなわち有効性が主要評価項目でした。発熱などのinfusion reaction予防のためアセトアミノフェン400mg経口投与、抗ヒスタミン剤としてセチリジン10mgもしくはそれに相当する他の抗ヒスタミン剤を経口もしくは静脈内投与、そしてプレドニゾロン換算で100mgのステロイドホルモン静脈内投与からなる前投薬投与を初回と2回目のオファツムマブ投与時には必須とし、3回目以降は医師の判断として投与しました。

【日韓共同第T/U相試験】 試験デザイン

 オファツムマブは第1回目のみ300mg、2回目から8回目まで2000mgを1週間間隔(毎週1回)で静脈内に点滴投与し、さらに9回目から12回目までは4週間隔で2000mgを静脈内に点滴投与しました。全部で10名の再発・難治CLL患者が登録、治療されました。男女比は9:1で、年齢中央値は67歳、罹病期間中央値は5.2年でした。治験治療前のスクリーニング時のRai分類では、低リスク群である0期1例、中間リスクのI期、II期が5例、III期、IV期の高リスク群が4例でした。Binet分類ではA期2例、B期とC期がそれぞれ4例でした。

【日韓共同第T/U相試験】 奏効率

 前治療のレジメン数は1-3レジメンで、中央値1レジメンでした。8例にフルダラビン治療歴があり、シクロフォスファミド治療歴が5例、プレドニゾロン、クロラムブシル、ビンクリスチンがそれぞれ2例、1例、1例でした。リツキシマブ投与歴のある患者はいませんでした。7例が部分奏効(PR)、3例が安定(SD)と判定され、全奏効率は70%でした。奏効7例の効果発現までの期間中央値は8.1週でした。
 末梢血中のCLL細胞はオファツムマブ投与後速やかに減少し10例中8例では投与経過中にCLL細胞の再増加は認められませんでした。また、48週までの経過観察期間では、10例中8例にCLLの増悪は認めませんでした。

 

提供 : 株式会社スズケン



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