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<スズケンDIアワー> 平成25年8月15日放送内容より スズケン

急性リンパ性白血病治療薬 クロファラビン


埼玉県立小児医療センター血液・腫瘍科部長
康 勝好

icon 副作用について

特に注意すべき副作用

 最後に特に注意すべき副作用をご紹介します。
 クロファラビンの治療により好中球減少などの骨髄抑制が高頻度に発現します。投与の対象となる患者は前治療歴を有していることから、骨髄抑制には特に注意が必要です。
 好中球減少期には敗血症、肺炎などの感染症が報告されています。頻回に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、感染症発症時には速やかに治療を行う必要があります。
 クロファラビンの治療により炎症性サイトカインの大量放出が起こり、全身性炎症反応症候群や毛細血管漏出症候群が発現する場合があります。頻呼吸、頻脈、低血圧、肺水腫などの症状がみられた場合には、投与を直ちに中止し、適切な処置を行います。
 また、AST/ALT上昇、ビリルビン上昇などの肝機能障害、静脈閉塞性肝疾患が報告されていますので、定期的に肝機能検査を行うことが重要です。特に造血幹細胞移植歴を有する患者さんでは注意してください。
 腎不全などの腎機能障害も報告されていますので、肝機能障害と同様に定期的な腎機能検査を行うことが重要です。
 腫瘍崩壊症候群も海外で報告があり注意が必要です。尿酸値や電解質などの臨床検査による十分な観察と必要に応じてラスブリカーゼ投与などの適切な予防処置を行うことが重要です。
 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群も注意を要します。発熱や全身性の発疹などがみられた場合には投与を中止し、適切な処置を行います。
 心嚢液貯留、左室機能不全、心不全、QT延長などの心障害は、必要に応じて心電図、心エコー検査などを行い、心機能を注意深く観察する必要があります。

 以上、小児急性リンパ性白血病、ALLの治療とクロファラビンについて解説しました。これまで再発・難治性の小児ALLでは標準治療が確立しておらず、新規薬剤が待ち望まれていました。クロファラビンが日本でも承認となり、今後は再発・難治例での寛解率の改善と造血幹細胞移植に繋げるための新規治療の可能性に期待が持たれます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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