薬学の時間
2010年1月21日放送分
学薬アワー「ふぐ中毒の撲滅をめざして」
日本学校薬剤師会常務理事
横田 勝司
私の趣味の一つに船釣り(海釣り)があり、特に冬場になると鋭い歯をした元気で厄介なフグが良く釣れることです。今年の1月10日には、釣り上げたフグを持ち帰って食べるという小学5、6年生の男児を連れた父親に遭遇し、びっくりした私です。勿論、フグの毒性については十分お話ししましたが、相当間違った概念を持っておられるようで、児童はとても不安そうに私の話を聞いていました。学校ではフグ毒や貝毒については学んでいない様子でしたが、今日では地産地消を推奨した「食育」の時間があるので、これからお話しするフグ毒についても「食に係わる生活安全」の観点から触れていただきたいと思っています。そして食中毒の中で最も致死率の高いフグによる食中毒の防止に役立てて欲しいものです。
最近のわが国の食中毒の傾向と対策 [薬学の時間2009]
2009/7/7(火) 00:00
薬学の時間
2009年7月7日放送分
「最近のわが国の食中毒の傾向と対策」
東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター教授
熊谷 進
はじめに
戦後、食中毒統計による患者数は最初の数年間を除き毎年2~6万人で推移してきました。死亡者数は年間数百人から徐々に減少し、この約20年間は年間10人前後におさまっています。
この間徐々に食中毒の原因調査のシステムが整ったことにともない、病因物質不明の件数が昭和35(1970)年までに徐々に減少しました。原因物質が判明した事例の中では、現在に至るまで、細菌性食中毒が食中毒の主要な部分を占めています。
2008年11月25日放送分
学薬アワー「平成19年度全国学校保健調査報告について」
日本学校薬剤師会学校保健調査実行委員会委員長
長井 章
はじめに
平成19年度に実施した、全国学校保健調査の集計結果についてご報告いたします。平成19年度の調査は、5年前の平成14年度に行った学校給食の食品衛生について、および医薬品等についての調査を再び取り上げて、環境衛生の取り組みの変化を比較分析いたしました。ここでは、学校給食の食品衛生の調査結果について質問順に考察していきます。
薬学の時間
2008年10月28日放送分
厚生労働省アワー「日本における食品衛生行政の概要について」
厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課
小林 洋介
食の安全に対する政府全体の取り組み
厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課の小林と申します。通常ですと、この番組は、薬学に関するお話をさせていただいていますが、今回は少し趣向を変えて、食品行政に関するお話をさせていただきたいと思います。中国産冷凍ギョウザ事件や乳製品へのメラミンの混入事案等、昨今、日本の「食の安全」を大きく揺るがす事件が相次いで起きています。このような事件に対し、政府としてどのような体制で取り組んでいるのか、また食の安全を掌る現行の法制度はどのようになっているのか、わずかな時間ではありますが、お話させていただきます。そして、今回の機会を通じて、少しでも「食の安全」を確保するための現行制度について、ご理解いただければ幸いです。
キノコ毒による食中毒 [薬学の時間2008]
2008/10/16(木) 00:00
薬学の時間
2008年10月16日放送分
「キノコ毒による食中毒」
長野女子短期大学客員教授
山浦 由郎
食用キノコでも中毒を起こす場合がある
日本では秋の味覚の代表としてキノコがよく知られているように、日本人は世界でも有数のキノコ好き民族です。特に近年の自然食志向やグルメ嗜好を反映して、キノコ狩りはいまブームになっています。一方、野生のキノコは昔から試行錯誤を繰り返しながら、経験的に毒キノコと食べられるキノコを識別してきました。しかし、近年未熟な知識から、毒キノコを食用キノコと誤って食べて中毒を起こす事例が増えています。日本には数千種類のキノコが自生していますが、これまで人に何らかの有害作用を及ぼす毒キノコは約150種類ほどが見つかっています。そのなかでも特に中毒事例が多い毒キノコは約50種類です。












