厚生労働省アワー「外国製造業者の認定制度について」 [厚生労働省アワー] [薬学の時間]
2009/01/29(木) 00:00

薬学の時間
2009年1月29日放送分
厚生労働省アワー「外国製造業者の認定制度について」
厚生労働省医薬食品局審査管理課
貝原 知佳

はじめに
 厚生労働省医薬食品局審査管理課の貝原と申します。本日は、平成14年度の薬事法改正により新設された、医薬品等の外国製造業者の認定制度について、お話しさせていただきます。


外国製造業者の認定制度の導入
 医薬品等の外国製造業者の認定は、平成14年度の薬事法改正で新設された制度で、平成17年4月から施行されております。平成17年3月までの旧法下では、国内製品については製造業者の製造所ごとに、輸入製品については輸入販売業者の営業所ごとに許可が必要でしたが、外国の製造所の許可は不要となっておりました。平成14年度の薬事法改正により、外国から日本に輸入される医薬品等についても、国内に流通する製品の安全性を確保し、保健衛生上の危害の発生の防止を図るため、当該製品を製造する外国の製造業者に対する厚生労働大臣の関与のあり方を見直し、外国の製造所についても、国内の製造所と同様に一定の構造設備等の要件を確認する制度を設けることとしたものです。
 外国製造業者の認定は、薬事法第13条の3第1項により、外国において本邦に輸出される医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器を製造する者は、厚生労働大臣の認定を受けることができるとされており、同法第14条第2項第2号により、当該医薬品等の製造販売の承認要件となっております。また、同法第55条第2項により、認定を受けていない外国の製造所で製造された医薬品等については、販売や授与等が禁止されているため、承認不要の医薬品等においても認定を受ける必要があります。

外国製造業者認定申請の申請手続きについて
 外国製造業者の認定申請の申請者は、法人にあってはその代表者が申請することとなっております。申請者は、代表権のある役員であることが必要ですが、当該国の会社組織に関する法制度等により、代表者の考え方が異なる場合は、委任状を添付することにより、法人の代表者に委任された者が申請することができます。
 申請書には、施行規則第35条第2項に掲げる書類を添付することとなっております。主な添付書類は、次のとおりです。
①業務を行う役員の医師の診断書
②製造所の責任者の履歴
③製造品目の一覧表及び製造工程に関する書類
④製造所の構造設備に関する書類
⑤当該外国製造業者が存する国に業許可等の制度がある場合は、その許可証等の写し
 外国製造業者の認定申請にあたっては、国内外で制度が必ずしも一致しない場合があるため、手続きに支障が生じないように、省令改正や、通知の発出をし、申請書の様式の整備や、添付書類の整理をしております。
 医師の診断書については、麻薬や覚せい剤の中毒者でないこと等の記載が必要ですが、当該国におけるプライバシーの保護や、雇用や人事に関する法令に抵触するなど、合理的な根拠がある場合は、医師の診断書に代えて、当該役員がその旨を疎明する書類を提出することができます。診断書を本人の疎明書に代える場合は、その合理的な理由については、疎明書に記載するか、または別途理由書を添付していただきます。
 医師の診断書は、全ての業務を行う役員について提出が必要です。業務を行う役員は、代表権のある役員と、代表権のない当該製造業務を担当する役員が該当します。役員の業務の範囲が確認できるよう、業務分掌表を提出することとしております。業務分掌表は、代表権のある方と、代表権のない業務を担当する役員が識別できるように作成していただく必要があります。
 また、診断書等の提出書類が外国語の場合は、邦訳を添付していただきます。英語以外の言語を邦訳する際は、翻訳証明が必要です。翻訳証明には、翻訳を行った方の署名や、社印が入っていることが必要です。

認定申請の手続きの代行について
 外国製造業者の認定申請の手続きは、当該外国製造業者の製造する医薬品等の製造販売業者が代行できることとされております。しかしながら、例えば、複数の製造販売業者に向けて製品を製造しており、他社の製品に関する製造品目の一覧や、製造工程に関する書類の秘密保持のため、特定の製造販売業者が代行することが難しいというような正当な理由がある場合は、外国製造業者から申請の代行を委任され、かつ、申請やその後の管理において外国製造業者との連絡等に責任をもてる方につき、代行を認めることとしております。その場合は、製造販売業者が代行できないことの理由書と、申請者と代行者の契約書の写し又は代行者への委任状を添付することとしております。

経過措置期間中の対応について
 外国製造業者の認定制度は平成17年4月1日から施行されておりますが、旧輸入販売業者の許可の有効期間中は、旧法下で承認されていた医薬品等に係る外国の製造業者については、認定を受けたものとみなされております。ただし、旧法下で承認のみ取得していて、品目追加許可を取得していない場合は、みなしがありませんので、新たに認定を取得していただく必要があります。みなしの外国製造業者においては、旧法下の輸入販売業の許可更新までに認定の更新をすることとしております。ただし、複数の輸入販売業者が関係するものは、それらのうち最も長いものまでに認定を更新していただくことになります。最終的には、平成22年3月末までには全てのみなしの外国製造業者が認定の更新時期を迎えることになります。輸入販売業の有効期間を過ぎてから申請する場合は、みなしが消滅した状態ですので、更新申請ではなく、新規で認定申請いただくことになります。また、輸入販売業の許可を有する営業所の移転等により、輸入販売業の許可を廃止した場合や、外国の製造所が移転した場合にも、同様にみなしが消滅しますので、新たに認定を取得していただく必要があります。
 なお、みなしの認定の更新の際には、認定区分の漏れがないように注意が必要です。例えば、当該外国製造業者の製造する医薬品等の製造販売業者が認定手続きを代行する場合、自社にかかる品目は一般区分であっても、国内他社の扱う品目に無菌製剤が含まれていれば、両方の区分につき更新が必要です。
 経過措置であるみなしの期間は、最長のものでも平成22年3月末で終了しますので、あと1年2ヶ月ほどしかございません。認定の更新には、外国製造業者とのやりとりや、認定に係る調査等には時間を要します。それらの時間を考慮に入れていただき、製造販売業者は、自社の承認品目や業許可更新の時期をご確認のうえ、十分に余裕を持った対応が必要になります。

外国企業との連携を
 外国製造業者の認定制度は、外国企業による手続きが必要な制度です。製造販売業者や認定申請の代行者の方々においては、外国企業に対して制度をご説明いただき、制度の内容を十分にご理解いただく必要があります。例えば、原薬を海外から輸入しているような場合、旧法下では、海外の原薬メーカーと直接コンタクトをとる機会があまり多くなかったという製造販売業者の方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、新法下では原薬承認がなくなり、承認品目の責任は製造販売業者にありますので、製造販売業者が責任を持って海外の原薬メーカーと連携をとっていく必要があります。認定の更新や承認書の記載整備に必要な情報収集は、原薬の輸入業者に任せるのではなく、製造販売業者が輸入業者と一緒になって、外国の製造業者と普段から情報交換することが必要です。何か問題が生じてしまった時に、速やかに情報を入手し、必要な対応をしていただくためには、普段からの密な情報交換が肝要となります。

 なお、外国製造業者の認定を受けた製造所の一覧については、月1回を目途に独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載しております。実際に認定申請や承認申請等をするにあたっては、必要な情報は直接、外国の製造所にご確認いただく必要があります。また、制度の概要や通知の英訳も、同機構のホームページに掲載されております。
 以上で、私からの説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。