シリーズ重篤副作用疾患別対応マニュアル(20)非ステロイド性抗炎症薬による蕁麻疹・血管性浮腫 [薬学の時間]
2010/10/07(木) 16:25

薬学の時間
2010年9月21日放送分
シリーズ重篤副作用疾患別対応マニュアル(20)非ステロイド性抗炎症薬による蕁麻疹・血管性浮腫
横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学教授
池澤 善郎

 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による蕁麻疹・血管性浮腫とは、アスピリンに代表される消炎鎮痛解熱薬のNSAIDsが投与されて数分から半日して、からだの皮膚の各所に地図状に盛り上がった痒みを伴う蕁麻疹もしくは顔面、特に口唇やまぶたの浮腫性腫脹(血管性浮腫)といったIgE伝達性アレルギーに似た皮膚症状が引き起こされる病態で、NSAIDs蕁麻疹・血管性浮腫とも言います。これに対して、NSAIDs不耐症とは、NSAIDsの投与によって誘発される蕁麻疹や血管性浮腫だけでなく、同じくNSAIDsの投与によって誘発される喘息や鼻炎などの気道症状が引き起こされるNSAIDs喘息を含めた疾患概念であり、蕁麻疹や血管浮腫と喘息が相互に合併することは少なく、喘息を起こす気道(過敏)型と蕁麻疹や血管性浮腫を起こす皮膚(過敏)型、さらに頻度は少ないが両者を合併する混合型の3型に分類されます。NSAIDsの中で、cycloxigenase-1(COX-1)選択性阻害薬のアスピリンは、気道型と皮膚型のいずれの不耐症も引き起こす代表的な薬剤であるため、NSAIDs不耐症はアスピリン不耐症とも呼ばれ、NSAIDs蕁麻疹・血管性浮腫は、アスピリン蕁麻疹・血管性浮腫とも呼ばれます。NSAIDs不耐症の中でNSAIDs喘息のことはよく知られていますが、NSAIDs蕁麻疹・血管性浮腫についてなじみのない方も多いと考えられますので、本日はこのNSAIDs蕁麻疹・血管性浮腫に関して教室の検討結果を含めてその特徴についてお話したいと思います。