腎尿管結石 [薬学の時間]
2008/07/10(木) 00:00

薬学の時間
2008年7月10日放送分
「腎尿管結石」
帝京大学医学部附属溝口病院泌尿器科教授
関根 英明

食事の欧米化で増える腎尿管結石とその治療
 腎尿管結石は、尿の中に含まれるカルシウムやリンあるいは尿酸などが結晶化し、腎臓や尿管で結石になる病気です。尿の通り道にできるところから尿路結石とも呼ばれます。結石が腎臓から尿管、さらに尿管から膀胱に移動するときに詰まると、背中から脇腹にかけて激しい痛みが起こります。これが尿管結石の疝痛発作と言われるもので、いろいろな痛みのなかでも最も激しく耐えがたいと言われています。また、いつも激痛があるとは限らず、血尿が出るだけの場合もあります。


腎不全の食事療法 [薬学の時間]
2008/02/07(木) 00:00

薬学の時間
2008年2月7日放送分
「腎不全の食事療法」
自治医科大学附属さいたま医療センター腎臓科教授
田部井 薫

低蛋白食で蛋白質の摂取を控え、腎臓の負担を減らす
 本日は腎不全の食事療法についてお話しますが、その前に、腎臓の機能を測る方法を少しお話します。
 腎臓がどのくらい働いているかは、糸球体濾過量で表されます。糸球体濾過量とは、血液が腎臓の糸球体という血管の集まった臓器で濾過される量で、正常では1分間に80~120ml、1日で150Lの水が濾過されています。体内の水分が体重の60%ですから60kgの人では36Lになりますので、それが1日4回糸球体で濾過されることになります。これは、体内で産生される毒物である尿素窒素などの蛋白代謝産物をできるだけ早く体外に排泄するためです。腎機能が低下するということは糸球体がつぶれ、濾過する力が弱まる状態を意味します。糸球体濾過量が30%以下になると腎不全と呼ばれ、10%以下になると尿毒症、5%以下になったら透析が必要になります。


慢性腎疾患における降圧療法について [薬学の時間]
2007/09/18(火) 00:00

薬学の時間
2007年9月18日放送分
「慢性腎疾患における降圧療法について」
古河赤十字病院院長
浅野 泰

慢性腎疾患における降圧療法の目標値
 慢性腎疾患(最近では慢性腎臓病:Chronic Kidney Disease:略してCKDと呼ばれるようになりましたが)のなかで進行悪化を示し、徐々に腎機能が低下していくような場合には、いずれは透析療法や腎移植といった末期腎不全に対する治療を受ける確率がたいへん高いことが知られています。この進行を抑制する方法には、その基礎疾患の治療が大切ですが、それ以外にもCKDの原因疾患いかんにかかわらず共通する対策として必要なものがあります。そのなかでも“血圧の管理”は、食事療法や尿蛋白抑制療法と並んで腎機能進行悪化の阻止にとって重要な位置を占めています。


薬物性腎障害の発症機構 [薬学の時間]
2007/06/05(火) 00:00

薬学の時間
2007年6月5日放送
「薬物性腎障害の発症機構」
共立薬科大学薬物治療学教授
柴﨑 敏昭

薬物性腎障害とは
 本日は、疾病治療の目的で使用した各種薬物による腎障害について、主にその発症機序に注目してお話します。
 現在、わが国では医家向け医薬品が約3万種類、OTC薬の発売が約2万種類にものぼり、適正な判断のもとに処方ないし販売され、世界で類を見ない長寿国としての、寄与因子になっているといえます。個々の薬物においては、生体内での薬物動態が明確にされていても、薬物に対する個人差が存在するため、臓器障害が発症するのは否めません。薬物による四大臓器障害として、骨髄障害・肝障害・腎障害ならびに皮膚障害がよく知られ、しばしば致死的になるためテイラーメイド的な処方設計が将来の課題といえます。消費者ならびに製薬メーカーにとって薬物性臓器障害の発症は避けて通れない辛い側面であり、実際に薬物による副作用発現の判定方法が現状では皆無であり、取りあえず担当医の判断が最優先されてしまうのが現状です。


いま腎臓病の重要性を世に問い直す [薬学の時間]
2007/05/22(火) 00:00

薬学の時間
2007年5月22日放送分
「いま腎臓病の重要性を世に問い直す」
名古屋市立大学大学院医学研究科心臓・腎高血圧内科学教授
木村 玄次郎

医療費を圧迫する末期腎不全
 今日は、「いま腎臓病の重要性を世に問い直す」ということでお話させていただきたいと思います。その背景には、だいたい五つくらいのことが考えられています。現在、わが国では透析患者数が27万人を超えています。つまり国民500人に1人が透析療法を受けるようになっているわけです。このように非常に末期腎不全が増加していることが背景にあります。また、そのことによって国民医療費を圧迫していて、国民医療費は年間30兆円を超えていますが、透析医療費に1兆円強が使われています。つまり、たった27万人で30分の1の医療費が使われているという問題があるわけです。この末期腎不全というのは慢性腎疾患の氷山の一角で、人口当たりにすると腎臓病の患者さんというのはもっと多いのではないかと考えられています。最近の研究から、腎疾患というのは末期腎不全に至るのみならず、脳卒中や心臓病に対する強いリスクであるということもわかってきました。最も大事なことに、いままでは慢性腎不全というのは不可逆性の増悪過程をたどるというふうに考えられていましたけれど、最近は必ずしもそうではなくて、特に早期発見をすれば腎疾患というのは回復させる可能性があるのだということがはっきりしてきているということであります。


透析療法と合併症 [薬学の時間]
2006/12/05(火) 00:00

薬学の時間
2006年12月5日放送分
「透析療法と合併症」
東京医科大学腎臓内科教授
中尾 俊之

増える透析患者と合併症
 わが国において、慢性維持透析患者総数は、年々直線的な増加を示しております。2005年度の慢性維持透析患者総数は25万7,765人で、わが国は世界各国と比べても長期の維持透析患者が多いことが特徴です。10年以上の患者は5万9,415人で、このうち20年以上の患者が1万6,260人となっております。