耐性菌を出さないための抗菌薬治療ストラテジー [薬学の時間]
2008/10/14(火) 00:00

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薬学の時間
2008年10月14日放送分
「耐性菌を出さないための抗菌薬治療ストラテジー」
兵庫医科大学感染制御学教授
竹末 芳生

3~4カ月間隔の抗菌薬サイクリングでは効果は認められない
 耐性菌対策として、抗菌薬使い分け(antibiotic heterogeneity)の重要性が数多く報告されています。一般に緑膿菌に活性を有する第4世代セフェム、カルバペネム、ニューキノロン、ピペラシリン/タゾバクタムが使い分けられています。抗菌薬許可制/届出制を導入し、特定の抗菌薬使用を制限している施設も多いのですが、適切な代替薬を指定しなければ、single switchにとどまってしまいます。すなわちカルバペネムを制限するだけでは、その次に使い慣れた第4世代セフェム薬一辺倒となりantibiotic heterogeneityは実践されません。


抗菌薬の相互作用 [薬学の時間]
2008/08/05(火) 00:00

薬学の時間
2008年8月5日放送分
「抗菌薬の相互作用」
大分大学医学部附属病院医療安全管理部准教授
平松 和史

抗菌薬の相互作用の4分類
 近年の高齢化社会や易感染宿主の増加、さらには耐性菌の拡散に伴い、様々な感染症患者が認められるようになっています。こうした感染症に対して、多くの抗菌薬が開発され、臨床の現場で使用されるようになってきました。抗菌薬を使用する際には、薬剤間の相互作用には十分注意する必要があります。抗菌薬と抗菌薬以外の薬剤との相互作用としては、カルバペネム系薬とバルプロ酸の併用によるバルプロ酸血中濃度の低下に起因するてんかんの誘発や、一部のニューキノロン系薬と非ステロイド系消炎鎮痛薬、NSAIDの併用によるけいれんの誘発など、多種多様なものが知られています。こうした組み合わせの投与は、併用禁忌や注意として薬剤添付文書に記載され、周知されています。


小児の中耳炎・副鼻腔炎 [薬学の時間]
2007/04/03(火) 00:00

薬学の時間
2007年4月3日放送
「小児の中耳炎・副鼻腔炎」
杉田耳鼻咽喉科院長
杉田 麟也

乳幼児の鼻水に対する診断と抗菌剤療法
 本日は、小児のなかでも特に乳幼児の急性化膿性中耳炎および鼻副鼻腔炎に対する抗菌剤治療についてお話します。
 小学校入学前の乳幼児期は免疫力が不安定のために、しばしばカゼ症候群に罹患し、鼻水、湿性咳、あるいは耳の痛みを訴えます。子供は鼻水が出ているのが当たり前であると考える医師も少なくありません。確かにカゼ症候群初期にみられる水様性鼻汁は自然に停止する場合もあり、無理に停止させる必要は無いかもしれません。しかし、膿性鼻汁が1週間以上も続く場合はどうでしょうか。


耐性菌を出さないための抗菌薬使用ストラテジー [薬学の時間]
2006/12/07(木) 00:00

薬学の時間
2006年12月7日放送分
「耐性菌を出さないための抗菌薬使用ストラテジー」
帝京大学医学部附属病院外科教授
福島 亮治

抗菌薬のサイクリングとミキシング
 抗菌薬・抗生物質を多量に使用すると、各種耐性菌が増加することは、ペニシリンが開発されて程なく、これに耐性化した黄色ブドウ球菌が認められて以来、これまでの数々の歴史的事実が証明しています。特定の抗菌薬を使用することで、それに対する耐性菌が増えることは、ある意味では宿命的なことともいえますが、偏った抗菌薬の使用による、いわゆるantibiotic pressure(薬剤耐性菌の選択圧)は、特定の耐性菌による院内感染の原因となりやすいことが知られています。