NSAIDsの正しい用い方 [薬学の時間]
2010/10/04(月) 17:52

薬学の時間
2010年9月14日放送分
NSAIDsの正しい用い方
兵庫医科大学内科学講座リウマチ・膠原病科教授
佐野 統

 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は鎮痛、解熱、抗炎症作用をもち、非特異的に炎症を抑える薬剤です。その歴史は、1899年に発売されたアスピリンに始まります。その適応症には関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症などのリウマチ性疾患、術後の疼痛などの疼痛性疾患、発熱を伴う疾患などがあり、最も使用される薬剤の一つです。ただ、従来考えられていたほど安全な薬剤ではないことも知られています。


がん疼痛緩和における鎮痛補助薬の役割 [薬学の時間]
2009/08/04(火) 00:00

薬学の時間
2009年8月4日放送分
「がん疼痛緩和における鎮痛補助薬の役割」
順天堂大学麻酔科学・ペインクリニック講座先任准教授
井関 雅子

はじめに
 みなさんこんばんは。私は順天堂大学医学部麻酔科学・ペインクリニック講座の井関雅子でございます。本日は、がんの痛みに対する、鎮痛補助薬の役割について、お話をさせていただきます。
 一般的には鎮痛補助薬と申しますと、まず、抗うつ薬や抗てんかん薬、NMDA(N-methyl-D-aspartate)受容体拮抗薬、抗不整脈薬、などを挙げることができます。しかし残念ながら、どれもこれも本邦において、痛みに関する保険適応はございません。さらに、がんに対する鎮痛補助薬と言ったときには、さらに、ステロイド、ビスフォスフォネート製剤、漢方薬など幅広く取り扱ったものもあります。


シリーズ重篤副作用疾患別対応マニュアル(5)非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作 [薬学の時間]
2009/06/16(火) 00:00

薬学の時間
2009年6月16日放送分
シリーズ重篤副作用疾患別対応マニュアル(5)
「非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作」
埼玉医科大学呼吸器内科講師
中込 一之

 埼玉医科大学呼吸器内科、中込と申します。本日は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による喘息発作の話をしたいと思います。
 アスピリン喘息(NSAIDs過敏喘息)とは、NSAIDsの投与によって誘発される喘息のことです。重要なことは、すべての喘息患者でNSAIDsの投与によって喘息が誘発されるものではなく、喘息患者全員がNSAIDsはダメということではありません。NSAIDsで喘息が誘発される患者は、成人喘息患者の約10%と考えられています。もう一つ重要なことは、アスピリン喘息はNSAIDs全般の投与で起こるもので、単一NSAIDsに対するアレルギーではないということです。ある一つのNSAIDsで発作がでた場合、他のNSAIDsなら大丈夫ということはありません。


最近増加している薬剤性腸炎とその対応 [薬学の時間]
2007/10/11(木) 00:00

薬学の時間
2007年10月11日放送
「最近増加している薬剤性腸炎とその対応」
福岡大学筑紫病院消化器科教授
松井 敏幸

薬剤性腸炎の病型
 治療を目的として投与された薬剤が、消化管に障害をもたらすことがあります。上部消化管と並んで、小腸や大腸にも投与薬剤に起因する病変が生じます。薬剤による腸管障害には、特異的な臨床所見や病理組織所見がないため診断に難渋しがちです。内視鏡検査が診断に有用なこともありますが、腸管障害の診断にあたっては薬剤による可能性を常に念頭に置いた問診が重要です。薬剤による腸管障害は、無駄な治療を行わず、薬剤をやめれば傷害は治癒します。薬剤による大腸障害は、①虚血型、②偽性腸閉塞型、③感染・壊死型、④腸管毒性型、⑤顕微鏡腸炎型、などの5型に分類されます。本日は、この分類に沿って、最新の動向をふまえて主要病型の特徴とその対応について述べます。


がん疼痛管理におけるNSAIDsの位置づけ [薬学の時間]
2007/04/05(木) 17:21

薬学の時間
2007年4月5日放送
「がん疼痛管理におけるNSAIDsの位置づけ」
京都府立医科大学麻酔学教室病院教授
細川 豊史

NSAIDsは定時、定期の投与が重要
 NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)は抗炎症、鎮痛、解熱作用を併せ持つ薬剤です。頭痛、歯痛、外傷後や術後痛などに多用されていますが、がん疼痛管理の基本であるWHOがん疼痛治療指針では第1段階治療薬として記載されており、「がん疼痛管理」で頻用されています。


薬剤性浮腫の病態とマネージメント [薬学の時間]
2007/03/15(木) 00:00

薬学の時間
2007年3月15日放送
「薬剤性浮腫の病態とマネージメント」
神戸大学大学院医学系研究科老年内科学教授
横野 浩一

はじめに
 一般に、体液は細胞外液と細胞内液に分けられ、細胞外液はさらに組織間液と血漿に分けられます。浮腫とはこの組織間液が増加した状態のことです。組織間液が2~3ℓ以上増加すると、臨床的に浮腫として、皮下、特に組織間隙が粗で組織圧の低い部分、たとえば眼瞼、手指、外陰部などに認められます。また、重力の負荷がかかる部に強く認められ、通常は下腿に、長期臥床している場合は体の背面に認められます。浮腫が高度になってくると、胸水、腹水、心嚢液として臨床的に問題を生ずることになります。