シリーズ重篤副作用疾患別対応マニュアル(4)偽アルドステロン症 [薬学の時間]
2009/05/19(火) 00:00

薬学の時間
2009年5月19日放送分
シリーズ重篤副作用疾患別対応マニュアル(4)
「偽アルドステロン症」
京都大学内分泌・代謝内科学教授
中尾 一和

偽アルドステロン症とその原因
 偽アルドステロン症とはどのような病気であるかということを、最初に簡単にご紹介しておきたいと思います。アルドステロンは副腎から分泌されるホルモンで、主に腎臓に働いて、体内に食塩と水をため込み血圧を上昇させ、カリウムの排泄を促すホルモンとして知られています。このホルモンの作用が過剰に発揮された結果、高血圧、浮腫、カリウム喪失などを起こす病気の総称がアルドステロン症と呼ばれています。偽アルドステロン症は、血液中のアルドステロンが増えていないのに、アルドステロン症の症状を示す病気です。


漢方薬と認知症 [薬学の時間]
2009/04/14(火) 00:00

薬学の時間
2009年4月14日放送分
「漢方薬と認知症」
群馬大学保健学科基礎理学療法学教授
山口 晴保

認知症とは
 こんばんは。群馬大学医学部保健学科の山口晴保といいます。漢方薬の専門家としての立場ではなく、認知症の病理研究者であり臨床家の立場から、漢方薬の優れた効能について、抑肝散を中心にお話しさせて頂きます。認知症の人に出現する、イライラ、不安、興奮、不眠、幻視や妄想といった行動心理症状に対して抑肝散が有効なことが本邦で見いだされ、臨床の場でよく使われるようになっているからです。


漢方服薬指導-妊産婦への投与に関して [薬学の時間]
2007/12/11(火) 18:08

薬学の時間
2007年12月11日放送
「漢方服薬指導-妊産婦への投与に関して」
久留米大学病院薬剤部副部長補佐
永田 郁夫

妊娠中の体調の変化に合わせた漢方薬の処方が必要
 本日は、漢方薬を妊産婦へ投与することについて、注意点などを含めて話をさせていただきます。
 妊娠が成立しますと、生体のホルモンバランスの急激な変化により、身体的にも精神的にも様々な症状が現れてきます。妊娠悪阻(つわり)、めまい、貧血、腰痛、浮腫(むくみ)、便秘、不眠などが代表的なものですが、風邪もひきやすくなります。漢方医学では、これを新生命の誕生による「気・血・水」の乱れととらえています。すなわち、妊婦は胎児に栄養を供給するために、血液の不足、すなわち血虚に陥りやすくなり、妊娠貧血の傾向が現れます。また、母体に胎児が存在するために、本来の気の流れが妨げられて気分が鬱になりやすく、そのために精神的な変調を来すことがあります。さらに、この気の失調により血や水の運行に障害が起き、血や水の滞りが生じやすくなり、その結果、「高血圧、尿タンパク、むくみ」といった妊娠中毒症が現れやすくなるわけです。この「気・血・水」は、それぞれ大きな意味を持っており、漢方医学の概念の一つであることは、みなさんよくご存じかと思います。


片頭痛に伴う随伴症状への対処法とホームケア [薬学の時間]
2007/09/13(木) 00:00

薬学の時間
2007年9月13日放送分
「片頭痛に伴う随伴症状への対処法とホームケア」
温知会間中病院院長
間中 信也

片頭痛発作はホームケアでかなり対処できる
 片頭痛に伴う随伴症状への対処法とホームケアについてお話します。
 片頭痛発作に対して、ホームケアでかなりの部分が対処可能なのです。
 片頭痛は頭痛のみではなく、様々な随伴症状を伴うのが特徴です。ふだんは何でもないような音や光の刺激にも敏感になり、体を動かすだけでも頭痛が悪化します。肩こりや悪心・嘔吐もつらい随伴症状です。片頭痛の治療は薬物治療が中心ですが、それ以外にも予防法や対処法、治療法があります。大学の医学部で教育されている現代西洋医学以外の医療を補完・代替医療 (complementary and alternative medicine;CAM) と定義され、サプリメント、ハーブなど、様々なものを含んでいます。ここでは漢方も一応、補完・代替医療に含めておきます。それでは代替医療を使った片頭痛のやり過ごし方、ホームケアのコツについてご説明いたします。


薬剤性浮腫の病態とマネージメント [薬学の時間]
2007/03/15(木) 00:00

薬学の時間
2007年3月15日放送
「薬剤性浮腫の病態とマネージメント」
神戸大学大学院医学系研究科老年内科学教授
横野 浩一

はじめに
 一般に、体液は細胞外液と細胞内液に分けられ、細胞外液はさらに組織間液と血漿に分けられます。浮腫とはこの組織間液が増加した状態のことです。組織間液が2~3ℓ以上増加すると、臨床的に浮腫として、皮下、特に組織間隙が粗で組織圧の低い部分、たとえば眼瞼、手指、外陰部などに認められます。また、重力の負荷がかかる部に強く認められ、通常は下腿に、長期臥床している場合は体の背面に認められます。浮腫が高度になってくると、胸水、腹水、心嚢液として臨床的に問題を生ずることになります。