小児の気管支炎・肺炎 [薬学の時間]
2010/04/21(水) 18:14

薬学の時間
2010年3月11日放送分
小児の気管支炎・肺炎
千葉大学医学部附属病院小児科講師
石和田 稔彦

 気管支炎・肺炎は、小児の外来、入院症例の中で最も多く遭遇する疾患のひとつです。気管支炎・肺炎の病原微生物は多岐にわたりますが、その臨床的特徴と、薬剤耐性化の状況を理解し、治療にあたることが必要です。今日は、小児の気管支炎・肺炎の診断の進め方、治療法について概説します。


小児の咽頭炎・扁桃炎 [薬学の時間]
2010/02/09(火) 00:00

薬学の時間
2010年2月9日放送分
「小児の咽頭炎・扁桃炎」
旭川厚生病院小児科主任部長
坂田 宏

はじめに
 小児の細菌による咽頭炎・扁桃炎の原因菌としてはG群およびC群溶血連鎖球菌、エルシニア菌などがありますが、極めて稀で、A群溶血性連鎖球菌(A群溶連菌)は日常的に診療する機会が多い上に、リウマチ熱や溶連菌感染後性糸球体腎炎といった非化膿性合併症を発症することから、臨床的に重要な細菌です。


小児の脱水症に対する経口補水療法 [薬学の時間]
2009/08/06(木) 00:00

薬学の時間
2009年8月6日放送分
「小児の脱水症に対する経口補水療法」
関西医科大学小児科学主任教授
金子 一成

 私たちの体の約60%は水分で構成され、この中には、ナトリウム、カリウム、塩素などのミネラルが含まれています。体内の水分は体温調節、酸素や栄養分の運搬、老廃物の排泄といった生命活動にかかわる重要な役割を担っています。また小児の発育に水分やミネラルは欠かせません。一方で乳幼児は体重に占める水分の割合が大人よりも大きく、脱水症を起こしやすいという特徴があります。
 そこで今日は脱水症とは何か、そして小児において脱水症はどのようなときに起こるのか、さらに脱水症を治療するにはどのような水分補給をすればよいのかを解説いたします。


Hibワクチンについて [薬学の時間]
2009/04/07(火) 00:00

薬学の時間
2009年4月7日放送分
「Hibワクチンについて」
千葉大学小児科講師
石和田 稔彦

はじめに 
 Hibワクチンは、20年ほど前から世界の多くの国々で使用され、その結果、髄膜炎をはじめとするHibによる感染症はほとんどなくなり、劇的な効果をあげています。一方、日本でもようやく厚生労働省の認可が下り、2008年12月19日から、接種可能となりました。これは、私たち小児科医が長年待ち望んでいたことです。今日は、Hibワクチンを取り上げ、このワクチンがどのような病気を予防するのか、実際どのように接種するのかを中心に解説したいと思います。


小児の発熱の特徴と注意点 [薬学の時間]
2009/01/20(火) 00:00

薬学の時間
2009年1月20日放送分
「小児の発熱の特徴と注意点」
国立成育医療センター研究所免疫アレルギー研究部室長
阿部 淳

はじめに
 小さなお子さんが体の異常を訴えて来られる症状のなかで、発熱は最も頻度が高く、かつ重要なものの1つです。本日は、そのようなお子さんの初診の場面を想定しながら、小児の発熱の特徴と注意すべき点についてお話ししたいと思います。


低身長と成長ホルモン療法 [薬学の時間]
2008/08/12(火) 00:00

薬学の時間
2008年8月12日放送
「低身長と成長ホルモン療法」
あいかわ小児クリニック
小川 英伸

身長の伸びが悪くなっていないかどうかが重要
 今日は低身長と成長ホルモン療法についてお話します。低身長はその言葉どおり、身長つまり背が低いということですが、低身長を来す原因は様々です。本日は成長ホルモン治療の代表的疾患である、成長ホルモン分泌不全性低身長症を中心にお話します。ただし、低身長の治療といっても、すでに身長の伸びが止まっている大人では、この治療で背を高くしようとしてもそれはできません。ですから、治療対象は通常、子供ということです。


日本における小児HIV感染症 [薬学の時間]
2008/05/15(木) 00:00

薬学の時間
2008年5月15日放送分
「日本における小児HIV感染症」
大阪市立総合医療センター小児医療センター小児救急科部長
外川 正生

HIVの母子感染を防ぐために
 本日は、現在の日本において、最も患者数の少ない病気の一つである子供のHIV感染症についてお話します。
 HIV感染症とAIDS患者の数が、現在の日本国内でどれくらいアウトブレークしているのかということは専門病院の外ではなかなかわかりにくいことです。まして母子感染による小児HIV感染症あるいは小児エイズとなると極めて少なく、エイズ動向委員会報告で累積49人、厚労省科学研究費稲葉班調査で42人に過ぎません。したがいまして、一般の小児科医が遭遇する機会は極めて乏しいといわざるを得ません。小児HIV感染者は乳幼児期にAIDSを発症する確率の高いことが知られていますが、その一方では無症状のまま10代を迎える群もあり、感染者の実数が把握しにくい点は無症候期の成人と同じなのであります。


小児の円形脱毛症 [薬学の時間]
2008/04/08(火) 21:46

薬学の時間
2008年4月8日放送
「小児の円形脱毛症」
国立成育医療センター第二専門診療部皮膚科
幸田 太

はじめに
 円形脱毛症は日常診療で比較的よく遭遇する疾患です。自然に治癒する症例も少なくありませんが、難治症例や再発を繰り返す症例も多く、治療に難渋することが多い疾患です。なかでも小児の症例は成人例と比べ重症例が多く、難治症例が多いのが特徴です。現時点ではその病態は完全に解明されておらず発症要因も不明ですが、免疫学的側面から数多くの知見が得られ、それに伴い局所免疫療法などが高い治療成績を上げています。今日は小児の円形脱毛症について診断と鑑別診断、病態と治療などについて広く概説したいと思います。


学薬アワー「アレルギー症状の増加とその環境要因」 [薬学の時間]
2008/03/27(木) 21:32

薬学の時間
2008年3月27日放送
学薬アワー「アレルギー症状の増加とその環境要因」
日本学校薬剤師会情報委員会委員長
木全 勝彦

子供たちのアレルギー疾患が増えている
 平成18年6月に愛知県内の人口約15万人の市において、市内小中学校25校の児童生徒1万3,635人(有効回答数:1万1,173人)を対象として実施した「アレルギー疾患について」のアンケート調査の結果をもとに、「児童生徒のアレルギー疾患の増加と環境要因」について報告させていただきます。


細菌性髄膜炎予防ワクチン [薬学の時間]
2008/03/18(火) 00:00

薬学の時間
2008年3月18日放送分
「細菌性髄膜炎予防ワクチン」
国立病院機構三重病院国際保健医療研究室長
中野 貴司

細菌性髄膜炎は小児での発生が高い重篤な疾患
 細菌性髄膜炎は、私たちの生命機能をつかさどる脳の周囲、すなわち中枢神経に病原細菌が侵入して起こる重症疾患です。抗菌薬療法や各種治療が進歩した現代においても、生命を脅かし、後遺症につながることのある病気です。また、幸運にうまく治る場合でも長期の入院による集中的な治療が必要となり、患者や家族の負担は多大です。そして細菌性髄膜炎は小児での発症頻度が高く、子供たちの豊かな未来がこの病気によって妨げられるのはぜひとも避けたいものです。


電磁波の健康への影響―小児白血病との関連を中心に [薬学の時間]
2008/03/04(火) 20:32

薬学の時間
2008年3月4日放送
「電磁波の健康への影響―小児白血病との関連を中心に」
永井クリニック小児科部長
齋藤 友博

電磁界とは
 まず、電磁波とは何かですが、科学的には電磁界と呼ばれます。波動でない場合もあるからです。電磁界は電界と磁界に分けられます。電界はある距離間の電圧の差で、1m当たりのボルトの差を単位とします。磁界は場に生じる磁束で、その密度をテスラという単位で表します。日常生活では1テスラの10の6乗分の1のマイクロテスラが用いられます。以前はガウスという単位が用いられましたが、今ではテスラが主流です。1マイクロテスラは10ミリガウスです。


子どもの便秘 [薬学の時間]
2008/02/12(火) 19:23

薬学の時間
2008年2月12日放送
「子どもの便秘」
さいたま市立病院小児外科部長
中野 美和子

便が溜まり直腸が伸びて慢性便秘になる
 私は小児外科医、生まれたばかりの赤ちゃんから思春期のお子さんまでを扱う外科医です。主に先天性の疾患を治療しているのですが、排便の異常もみていて、現在、一般外来とともに「排便外来」として、手術した患者さんのフォローをしているのですが、手術の対象ではない便秘の方も、診療しています。


テオフィリンとけいれん [薬学の時間]
2007/10/09(火) 00:00

薬学の時間
2007年10月9日放送
「テオフィリンとけいれん」
鳥取大学医学部脳神経小児科准教授
前垣 義弘

テオフィリンの適量投与でけいれんが起こるのか
 テオフィリン製剤は、気管支喘息治療薬として中心的な役割を果たしてきました。近年、吸入ステロイド薬やロイコトリエン拮抗薬などの有効な治療法の確立と、テオフィリンによるけいれん誘発の報告などから、喘息治療薬としてのテオフィリンの使用頻度は減少しています。テオフィリンのけいれん誘発の解釈は、小児科医によって大きく異なります。既往歴や年齢、投与量を守れば、テオフィリンのけいれん誘発はほとんどないとする意見と、通常の投与量でもけいれんを誘発することがあり、一部に脳障害を来すことがあるとする意見に大別されます。これらを結論付ける十分なエビデンスは得られておりません。日本人の熱性けいれん有病率は欧米の2~3倍であり、けいれんの問題は子供とその家族にとって大きな問題です。本日は、テオフィリンとけいれんの関連を、これまで報告された知見をもとに概説します。


小児メタボリックシンドロームの最近の知見 [薬学の時間]
2007/05/03(木) 18:25

薬学の時間
2007年5月3日放送
「小児メタボリックシンドロームの最近の知見」
日本大学医学部小児科学教室准教授
岡田 知雄

はじめに
 日本人学童生徒の肥満の頻度は、最近の30年間で3倍に増加し、約10%にみられます。成人と同様に小児においても肥満は、高血圧や高脂血症、動脈硬化の重要なリスクファクターであります。2型糖尿病の小児における頻度も、1982~1986年と1992~1996年との10年間の期間で比べると2.6倍に増加しており、しかもその2型糖尿病の小児の80%は、肥満であります。7歳児に肥満であった者の40%、思春期以後の肥満の70~80%は成人期の肥満に移行すると報告されています。このように、小児期早期からの肥満の予防は、糖尿病の発症や成人期の心血管病予防にとって重要なのものであります。


小児アトピー性皮膚炎に悩む親への説明 [薬学の時間]
2007/05/01(火) 18:22

薬学の時間
2007年5月1日放送
「小児アトピー性皮膚炎に悩む親への説明」
国立成育医療センター第一専門診療部アレルギー科医長
大矢 幸弘

適切な強さのステロイドを適切な量塗ることが基本
 今日は、小児アトピー性皮膚炎に悩む親への説明を、質問と回答の形式でお話します。子供のアトピー性皮膚炎に悩んでいる方から受ける質問は実に多いのですが、時間に限りがありますので、頻度の高いものを選んでお話しようと思います。


起立性調節障害の診断と治療 [薬学の時間]
2007/04/10(火) 00:00

薬学の時間
2007年4月10日放送
「起立性調節障害の診断と治療」
大阪医科大学小児科准教授
田中 英高

三つの難しさがある起立性調節障害
 一般内科や小児科の日常診療において、頭痛、腹痛、身体がだるい、朝起きられないなどの症状で受診する子供は珍しくありません。このような子供の多くは、起立性調節障害と診断されます。英語ではorthostatic dysregulation、ODと呼び、最近、マスコミでも話題になっています。ODは思春期に好発する自律神経失調症の一つで、軽症例を含めると中学生の約1割に発症するcommon diseaseです。しかし、その診療には次のような三つの難しさがあり、プライマリケアでは敬遠されがちです。第一の難しさは、診断確定に迷うことです。ODの子どもはからだがだるく、立ちくらみや頭痛があり、朝がなかなか起きられなくて遅刻や欠席しがちになります。しかし血液検査やレントゲン検査では異常がないので、からだの問題か、心の問題か、診断に迷うことが少なくありません。ODを判定する検査法としては、唯一、起立血圧試験があります。これは10分間の臥位と10分間の起立で血圧を比較しますが、検査の感受性が低いため、診断確定が難しいのです。


小児の中耳炎・副鼻腔炎 [薬学の時間]
2007/04/03(火) 00:00

薬学の時間
2007年4月3日放送
「小児の中耳炎・副鼻腔炎」
杉田耳鼻咽喉科院長
杉田 麟也

乳幼児の鼻水に対する診断と抗菌剤療法
 本日は、小児のなかでも特に乳幼児の急性化膿性中耳炎および鼻副鼻腔炎に対する抗菌剤治療についてお話します。
 小学校入学前の乳幼児期は免疫力が不安定のために、しばしばカゼ症候群に罹患し、鼻水、湿性咳、あるいは耳の痛みを訴えます。子供は鼻水が出ているのが当たり前であると考える医師も少なくありません。確かにカゼ症候群初期にみられる水様性鼻汁は自然に停止する場合もあり、無理に停止させる必要は無いかもしれません。しかし、膿性鼻汁が1週間以上も続く場合はどうでしょうか。


経口補水液の使い方 [薬学の時間]
2006/09/05(火) 12:15

薬学の時間
2006年9月5日
「経口補水液の使い方」
つるのぼるクリニック(福岡市)院長
津留 徳

世界的には経口補水療法が普及しつつある
 福岡市で小児科クリニックを開設しております津留でございます。本日は、主に小児の「経口補水液の使い方」というテーマでお話させていただきます。
 近年、小児の急性胃腸炎は軽症化しています。ところが、わが国では急性胃腸炎による下痢・嘔吐に対しては、経静脈輸液を投与して同時に消化管の安静を図るという治療がいまなお一般的に行われております。