オピオイド投与よる眠気について―鑑別と対応 [薬学の時間]
2009/12/03(木) 00:00

薬学の時間
2009年12月3日放送分
「オピオイド投与による眠気について―鑑別と対応」
筑波メディカルセンター病院緩和医療科診療部長
志真 泰夫

はじめに
 本日はオピオイド投与による眠気について、その鑑別と対応を中心にお話しいたします。お話しする主な内容は次の通りです。
1. オピオイドを投与された患者の眠気に対してどのように評価したらよいか、どのように鑑別したらよいか
2. オピオイドによる眠気であるとしたら、まずどのような対応をしたらよいか
3. オピオイドによる眠気に対してオピオイドの変更、すなわちオピオイドローテーションは有用か
4. オピオイドによる眠気に対してオピオイドの投与経路の変更は有用か
5. オピオイドによる眠気に対して精神刺激薬などの薬剤による対応は有用か
以上、5点についてお話をいたします。


がん治療を支える口腔ケア [薬学の時間]
2009/11/03(火) 00:00

薬学の時間
2009年11月3日放送分
「がん治療を支える口腔ケア」
静岡がんセンター歯科口腔外科部長
大田 洋二郎 

 こんにちは、静岡県立静岡がんセンターの大田洋二郎です。今日は、「がん治療を支える口腔ケア」というテーマで、がん化学療法に伴う口腔トラブルについて解説をいたします。


ピロリ菌感染の実態について [薬学の時間]
2009/09/15(火) 00:00

薬学の時間
2009年9月15日放送分
「ピロリ菌感染の実態について」
大分大学消化器内科診療教授
村上 和成

はじめに
 2000年に日本ヘリコバクター学会より「H.pylori感染の診断と治療のガイドライン」が初めて報告され、今回2009年にはガイドラインの2回目の改訂版が作成されました。その間に、胃癌をはじめ様々な疾患とH.pyloriとの関連が明らかにされ、二次除菌治療法が保険適用となり、CAM(クラリスロマイシン)耐性菌の著明な増加が指摘されるなど、除菌にかかわる問題点が浮き彫りになってきています。除菌治療は一般臨床の場でも、比較的手軽に行われるようになっており、1年間の除菌治療数は50万人から60万人にのぼるとされています。本項では新しい日本ヘリコバクター学会ガイドラインの大きな改訂点と一般市民にとっての意義について述べてみます。


がん疼痛緩和における鎮痛補助薬の役割 [薬学の時間]
2009/08/04(火) 00:00

薬学の時間
2009年8月4日放送分
「がん疼痛緩和における鎮痛補助薬の役割」
順天堂大学麻酔科学・ペインクリニック講座先任准教授
井関 雅子

はじめに
 みなさんこんばんは。私は順天堂大学医学部麻酔科学・ペインクリニック講座の井関雅子でございます。本日は、がんの痛みに対する、鎮痛補助薬の役割について、お話をさせていただきます。
 一般的には鎮痛補助薬と申しますと、まず、抗うつ薬や抗てんかん薬、NMDA(N-methyl-D-aspartate)受容体拮抗薬、抗不整脈薬、などを挙げることができます。しかし残念ながら、どれもこれも本邦において、痛みに関する保険適応はございません。さらに、がんに対する鎮痛補助薬と言ったときには、さらに、ステロイド、ビスフォスフォネート製剤、漢方薬など幅広く取り扱ったものもあります。


在宅における死を見すえた時期の精神面の支援 [薬学の時間]
2009/05/14(木) 00:00

薬学の時間
2009年5月14日放送分
「在宅における死を見すえた時期の精神面の支援」
ふじ内科クリニック院長
内藤 いづみ

はじめに
 医療制度が整わず、社会的理解度がまだまだ乏しい時から、「在宅ホスピスケア」の実践と啓蒙が、自分の医療者としての使命だと思い、ずっと20年以上歩んできました。ですから「在宅ホスピス医」と紹介されることも多いです。最近社会も医療制度も変化し、「在宅ホスピスケア」が普及する下地が整ってきています。何より国の方針の下に、病院でできる治療が終了した重症患者さんが、どんどん家に戻される事態になっています。在宅ケアやホスピスケアについて「知りません。分かりません。」それでは済まないのです。ですからこの放送を通じて、皆様にいのちに寄り添う意味といのちを支える実践について、理解を深めていただければ幸いです。


専門薬剤師制度の動向について [薬学の時間]
2009/05/05(火) 00:00

薬学の時間
2009年5月5日放送分
「専門薬剤師制度の動向について」
国立がんセンター東病院薬剤部長
遠藤 一司

はじめに
 本日は、日本病院薬剤師会が認定している専門薬剤師および薬物療法認定薬剤師についてお話しします。
 現在、日本病院薬剤師会が認定している専門的な薬剤師の制度として、専門薬剤師と認定薬剤師があります。その領域は、「感染制御」「がん」「精神科」「妊婦と授乳婦」「HIV感染症」があります。


在宅における死を見すえた時期の家族のケア [薬学の時間]
2009/03/05(木) 00:00

薬学の時間
2009年3月5日放送分
「在宅における死を見すえた時期の家族のケア」
名古屋大学医学部保健学科がんプロフェッショナル養成プラン特任講師
阿部 まゆみ

在宅医療における薬剤師の役割
 いま、医療現場ではがん医療に関しては変化をしております。これまでであれば施設で行われた医療が在宅へとシフトしております。それらを可能にするという意味では、がん医療に携わる医師・看護師だけでなく、薬剤師のみなさんの活動・協力が必要とされています。症状緩和によるQOL、それから患者さんご家族のケアが中心になってきます。その中心におきながら在宅でということになりますと、それを実際病院と同じような治療を地域でもやっていただくという意味では、そのあたりが重要なポイントになるかと思います。


学薬アワー「喫煙防止教育について」 [薬学の時間]
2009/02/19(木) 00:00

薬学の時間
2009年2月19日放送分
学薬アワー「喫煙防止教育について」
日本学校薬剤師会常務理事
篠原 幸雄

禁煙をめぐる世界の動き
 現在、タバコ及び喫煙は全世界が取り組むべき重要な健康問題となっています。日本薬剤師会では2003年『禁煙運動宣言』を出し、禁煙運動の推進と受動喫煙の防止に取り組んでいます。この宣言では国民の禁煙支援に積極的に取り組む、特に未成年者への禁煙啓発活動を行う事が謳われています。青少年の喫煙は、若者自身の健康を害すると共に、将来の生活習慣病の原因にもなります。タバコは麻薬・覚せい剤などへの入門薬・ゲートウエイドラッグとなるとも言われていますので、喫煙防止教育は薬物乱用防止活動にもつながるという点で非常に大切です。学校においては、学校薬剤師が薬物乱用防止教育と共に喫煙防止教育にも積極的に取り組んでいます。


オレンジバルーン・プロジェクトについて [薬学の時間]
2009/02/03(火) 00:00

薬学の時間
2009年2月3日放送分
「オレンジバルーン・プロジェクトについて」
日本医科大学付属病院薬剤部長
片山 志郎

プロジェクト立ち上げの経緯
 2007年4月に「がん対策基本法」が施行され、厚生労働省は一般市民に対しても「緩和ケアは死を待つだけのあきらめの医療」「麻薬は使いたくない」などといった誤った考え方を改めていただくため、「緩和ケア」の正しい知識を持つことを目的とした普及啓発事業の実施計画を立案しました。


がん情報のネットワーク [薬学の時間]
2009/01/08(木) 00:00

薬学の時間
2009年1月8日放送分
「がん情報のネットワーク」
国立がんセンターがん対策情報センターがん情報・統計部室長
高山 智子

はじめに
 日本のがん対策は、がんの制圧をはかるために、昭和58年に「対がん10カ年総合戦略」が立てられたことから始まります。ここ数年の間に、がん対策の体制基盤の構築がさらに急速に進められています。その中での重要課題の一つである「がん情報のネットワーク」について、今日はお話をさせて頂きます。


20代・30代の女性の命を奪う子宮頸がん [薬学の時間]
2008/12/16(火) 00:00

薬学の時間
2008年12月16日放送分
「20代・30代の女性の命を奪う子宮頸がん」
荒木労働衛生コンサルタント事務所所長
荒木 葉子

子宮のお話
 子宮がどこにあって、どのくらいの大きさかご存知ですか?また、子宮がどのような働きをするのかご存知でしょうか。子宮は、女性の骨盤の中の臓器で、通常は鶏の卵くらいの大きさです。子宮は、電球をさかさまにしたような形をしていて、ソケットにあたる部分は膣とつながっています。
 子宮の両脇に卵巣という臓器があり、そこでは卵子が月経周期にしたがってひとつだけ成熟していきます。月経から約2週間目ごろ、卵巣から卵子が飛び出し、子宮の両脇にある卵管を通って、子宮に移動していきます。卵管で精子と出会い、受精した卵が子宮内に着床すると妊娠が成立します。つまり子宮は赤ちゃんが育つためのお腹のなかのゆりかごのような役目をするわけです。子宮や卵巣二つともを手術などで失ってしまうと、赤ちゃんを産むことが出来なくなります。


疼痛緩和・専門薬剤師の認定に向けて [薬学の時間]
2008/12/11(木) 00:00

薬学の時間
2008年12月11日放送分
「疼痛緩和・専門薬剤師の認定に向けて」
済生会横浜市南部病院薬剤部長
加賀谷 肇

「日本緩和医療薬学会」設立の背景
 わが国における緩和医療の重要性はますます高まり、近年、がん治療において緩和ケアは治療初期から平行して行う医療として位置づけられています。2006年6月には「がん対策基本法」が公布され、2007年4月より施行されました。本法において基本的施策として「がんの予防および早期発見の推進」、「がん医療の均てん化の促進」、「研究の推進」の3点があげられています。


食習慣とがん [薬学の時間]
2008/06/10(火) 15:16

薬学の時間
2008年6月10日放送
「食習慣とがん」
国立がんセンターがん予防・検診研究センター予防研究部長
津金 昌一郎

食習慣はがんの発生に深くかかわっている
 本日は、食習慣とがんについて、疫学研究の結果からも確認されていることをお話いたします。疫学研究というのは、ヒト集団を対象に行われる調査をもとにした分析による研究で、ここから得られる証拠はエビデンスと呼ばれています。ある薬剤の薬理的な動態がマウスを使った動物実験で確認されたとしても、ヒトでは必ずしもそうならないことがあります。そのようなことがあるので、動物実験で確認された結果だけでは、ヒトに応用することはできません。がん予防でもまったく同じですので、エビデンスが揃った知見を中心にお話をします。


子宮頸癌治療ガイドライン [薬学の時間]
2008/04/01(火) 21:34

薬学の時間
2008年4月1日放送
「子宮頸癌治療ガイドライン」
癌研有明病院レディースセンター長・婦人科部長
瀧澤 憲

日本独特の広汎子宮全摘術
 今回のガイドラインでは、従来、手術中心に治療されてきた臨床進行期Ⅰ/Ⅱ期の頸癌治療について、放射線治療の選択肢も明示されました。本日は、主治療が手術から放射線へシフトする傾向・問題点について説明いたします。


がんの痛み治療の実践状況 [薬学の時間]
2008/03/13(木) 21:16

薬学の時間
2008年3月13日放送
「がんの痛み治療の実践状況」
埼玉医科大学客員教授
武田 文和

がんの痛みから解放されたいのに、日本のモルヒネ等の使用量は増えていない
 日本の、がんの痛み治療の実践状況と、改善の必要性についてお話します。
 いずれのがん患者さんも、長い療養期間を必要とします。この長い期間のいずれかのとき、患者さんは、痛みなどつらい症状に苦しみます。このつらい症状を取り除く医療、すなわち緩和ケアが行われないと、患者さんは悲惨な日々を過ごすことになります。
 死が避けられないほどがんが進んでしまった患者さんも、死の瞬間まで生きているのですから、その瞬間まで、つらい症状からの解放が必要です。また、がんが治った後の患者さんにも、痛みが起こることがあり、痛みへの対応が必要です。緩和ケアは、すべてのがん患者にとり、がん病変治療と同じウエイトで重要ですし、適切な痛み治療実践が緩和ケアのスタート・ラインです。


早期前立腺癌の治療 [薬学の時間]
2008/02/05(火) 00:00

薬学の時間
2008年2月5日放送分
「早期前立腺癌の治療」
東京慈恵会医科大学泌尿器科教授
頴川 晋

早期前立腺癌の治療方針決定のポイント
 本日は前立腺癌の治療、特に早期前立腺癌の治療を中心にお話いたします。
 早期前立腺癌の治療方針の決定には、正確な病状の把握が不可欠であることは言うまでもありません。根治、すなわち完全に治そうという適応も拡大され、個々の状況に応じて、より良い治療法を選択するために正確な予後予測をしよう、治療前に「リスク」を分類し、それに応じた治療法を検討しようという考え方が昨今の前立腺癌診療上の主流となっています。さらには全世界的な前立腺癌診断頻度の増加傾向とともに、治療成績の視点からのみならず、コスト、合併症・副作用、毒性、生活の質への影響をも考慮して一次治療法の選択を決定するといった傾向も顕著となってきています。進み方が遅く、罹患率が疾患による死亡率を大幅に凌駕する前立腺癌において、治療成績とのプラスマイナスを考慮し、最終的にどれほどの利益が得られるかを、治療選択時に十二分に考慮するということが重要であるとされています。


痛みが慢性化するメカニズム [薬学の時間]
2007/08/16(木) 15:42

薬学の時間
2007年8月16日放送
「痛みが慢性化するメカニズム」
和歌山県立医科大学解剖学第2講座教授
仙波 恵美子

多くの人が苦しんでいる慢性痛
 今日は、患者さんの最も多い訴えである、痛みについてお話します。痛みにもいろいろな種類がありますが、まず、生理的な痛みと病的な痛みに分けることができます。またその経過から急性痛・慢性痛という分け方もできます。
 生理的な痛みは、有害な刺激から私たちの体を守るために生体警告系としてなくてはならないもので、また内蔵の痛みなどの急性痛も病変の存在を知らせるために必要です。これらの役に立つ痛みに対し、慢性的に持続する有害無益な痛みがあります。そのために睡眠は障害され、仕事も手につかず、私たちのQOLは著しく低下します。このような痛みを「慢性痛」といい、通常の消炎鎮痛剤はもちろん、モルヒネなども効きにくく、臨床的に最も問題になる痛みです。


がん疼痛管理におけるNSAIDsの位置づけ [薬学の時間]
2007/04/05(木) 17:21

薬学の時間
2007年4月5日放送
「がん疼痛管理におけるNSAIDsの位置づけ」
京都府立医科大学麻酔学教室病院教授
細川 豊史

NSAIDsは定時、定期の投与が重要
 NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)は抗炎症、鎮痛、解熱作用を併せ持つ薬剤です。頭痛、歯痛、外傷後や術後痛などに多用されていますが、がん疼痛管理の基本であるWHOがん疼痛治療指針では第1段階治療薬として記載されており、「がん疼痛管理」で頻用されています。