起立性調節障害の診断と治療 [薬学の時間]
2007/04/10(火) 00:00

薬学の時間
2007年4月10日放送
「起立性調節障害の診断と治療」
大阪医科大学小児科准教授
田中 英高

三つの難しさがある起立性調節障害
 一般内科や小児科の日常診療において、頭痛、腹痛、身体がだるい、朝起きられないなどの症状で受診する子供は珍しくありません。このような子供の多くは、起立性調節障害と診断されます。英語ではorthostatic dysregulation、ODと呼び、最近、マスコミでも話題になっています。ODは思春期に好発する自律神経失調症の一つで、軽症例を含めると中学生の約1割に発症するcommon diseaseです。しかし、その診療には次のような三つの難しさがあり、プライマリケアでは敬遠されがちです。第一の難しさは、診断確定に迷うことです。ODの子どもはからだがだるく、立ちくらみや頭痛があり、朝がなかなか起きられなくて遅刻や欠席しがちになります。しかし血液検査やレントゲン検査では異常がないので、からだの問題か、心の問題か、診断に迷うことが少なくありません。ODを判定する検査法としては、唯一、起立血圧試験があります。これは10分間の臥位と10分間の起立で血圧を比較しますが、検査の感受性が低いため、診断確定が難しいのです。