どこまでの症状をめまいとよぶのか? [薬学の時間]
2008/01/22(火) 19:07

薬学の時間
2008年1月22日放送
「どこまでの症状をめまいとよぶのか?」
亀田メディカルセンター神経内科部長
福武 敏夫

めまいのメカニズム
 本日は、「どこまでの症状をめまいと呼ぶのか?」というお話をしていきますが、こういうテーマでお話しする一番の理由は、めまいの訴えに対し、医師がほとんど問診せずに抗めまい薬を出すという旧態依然たる診療が行われているのをしばしば耳にするからです。
 まず語源からお話しますと、日本語の「めまい」は容易に予想されるように「目が舞う」に由来します。目が舞えば、見ているものが動くように感じるかもしれませんし、自分が動いているように感じるかもしれません。見ているものが動く場合、天井が回っているように見えたり、壁が流れるように見えたりします。これらは回転感、回転性めまいとまとめられます。一方逆に、自分が動いているように感じるものは、動揺感、偏倚感(偏倚していく感じ)、それから浮動感(浮いて動く感じ)、浮動性めまいなどと表現されます。
 英語圏では、めまいに対応する言葉としてvertigoとdizzinessがあり、vertigoが回転性めまいに当てられ、dizzinessは浮動性めまいに対応します。


めまい [薬学の時間]
2007/11/15(木) 00:00

薬学の時間
2007年11月15日放送
「めまい」
埼玉医科大学耳鼻咽喉科・神経耳科教授
伊藤 彰紀

めまい単独の疾患とその治療
 本日はめまいの診断と治療についてお話したいと思います。
 めまいは、頭痛と並んで日常診療上患者さんの訴えのなかで非常に多いものの一つです。ひとくちにめまいと言ってもその性状は様々で、ぐるぐる回るという回転性めまい、地震が来たときのように体がぐらぐらするという動揺性めまい、雲の上を歩いている感覚と表現される浮動性めまい、目の前が暗くなり気が遠くなりそうという眼前暗黒感などに大別されます。このようなめまいの性状のみでその原因疾患を診断することは困難ですが、一般的な目安として言えることは、回転性めまいは内耳疾患に多く、動揺性ならびに浮動性めまいは中枢疾患に多いとされています。一方、耳鳴り、難聴、耳のつまり感などが随伴する場合には、もちろん内耳性めまいを強く疑います。


めまい患者の取り扱いについて [薬学の時間]
2007/04/12(木) 17:27

薬学の時間
2007年4月12日放送
「めまい患者の取り扱いについて」
秋田大学医学部医学科感覚器学講座教授
石川 和夫

めまい発症にかかわるストーリーを聞き出すことから始まる
 めまいは、端的に言って「空間識が破綻したときに自覚される異常感覚」と定義することができます。実際には、その異常感覚は回転感であったり、フラフラ感であったり、フワフワ感であったり様々に訴えられます。このようなめまいのつらさは、しばしば他の人や医師にも十分に理解してもらえず、患者さんに必要以上の苦しみを強いている場合もよく見受けられます。適正な検査に基づく診断と治療により、できるだけ速やかに「めまい」の苦しみから解放してあげることが医師に求められます。