屈折矯正(LASIK)手術 [薬学の時間]
2008/07/17(木) 00:00

薬学の時間
2008年7月17日放送
「屈折矯正(LASIK)手術」
慶應義塾大学医学部眼科学准教授
根岸 一乃

はじめに
 患者さんが眼科を受診される最も多い原因の一つに近視があります。日本人は欧米人と比較して近視の割合が高いといわれ、人口の約3分の1、すなわち約4,000万人は近視であるといわれています。近視の方のなかにはメガネやコンタクトレンズなどで問題なく生活されている方もいますが、職業的な理由やその他によりメガネやコンタクトレンズが使えず、日常生活がとても不自由であったり、日常生活は可能でも趣味のスポーツをするときなどに不便を感じている方もたくさんいらっしゃいます。このような近視でお悩みの方に対する治療法として最近注目されているのが、エキシマレーザーを用いた手術、レーシックです。


ドライアイ [薬学の時間]
2008/06/17(火) 00:00

薬学の時間
2008年6月17日放送分
「ドライアイ」
京都府立医科大学眼科学准教授
横井 則彦

涙のメカニズム
 ドライアイを理解する前に、涙のことをよく理解しておく必要がありますので、まず、涙について説明します。
 涙は、上まぶたの奥にある涙腺で作られて、眼の表面に分泌され、涙液メニスカスと呼ばれる上・下のまぶたの縁の涙の貯留部位を通りながら、涙の出口である涙点に達して涙道へと流れ込んでいきます。その間、メニスカスの涙は、まばたきによって眼の表面に配られますが、涙点に達するまでに、約10%の涙が眼表面から蒸発によって失われるといわれています。眼の表面の涙は、数マイクロメーターと非常に薄く、あたかも膜のように振る舞うためティアフィルムと呼ばれ、表面の油の層と、その下の液体の層から構成されています。そして、この液体の層の中にはムチンと呼ばれる粘度の高い糖タンパク質が混じっています。ムチンには、結膜の杯細胞と呼ばれる細胞から分泌されるムチンと、角膜および結膜の最表面の細胞から突起のように涙に向かって出ているムチンがあり、それらの相互作用によって、目の表面に涙が安定に広がると考えられています。後で述べますが、この涙が安定に広がる性質は、目を開けたままでも、しばらくの間、物がはっきりと見えるためにとても重要な性質です。


正常眼圧緑内障 [薬学の時間]
2007/05/08(火) 00:00

薬学の時間
2007年5月8日放送分
「正常眼圧緑内障」
岐阜大学大学院医学系研究科眼科学教授
山本 哲也

正常眼圧緑内障は日本人に多い病型
 今夜は緑内障、特に正常眼圧緑内障の話をします。緑内障といいますと、今でも眼圧が高いことが原因で起こる病気とお考えの方が医療関係者にも多いですし、医学生の教育においても眼圧と緑内障に密接な関係があるということはじっくりと教えられます。ですが、今夜は少し違った観点から緑内障の話をしてみたいと思います。