高脂血症治療薬の投与 [薬学の時間]
2008/08/07(木) 00:00

薬学の時間
2008年8月7日放送分
「高脂血症治療薬の投与」
福島県立医科大学内科学第一講座准教授
石橋 敏幸

高脂血症治療の本来の目的は動脈硬化性疾患の予防にある
 高脂血症治療薬の投与に関して次のような質問をいただきました。
 「総コレステロールと中性脂肪が高値の場合、高脂血症治療薬を投与すると比較的短期間で正常値になり、投与を中止し1カ月後くらいに値が再上昇していることがしばしばあります。高脂血症治療薬の投与はどのくらい継続するのが適当でしょうか」というご質問です。


家族性高コレステロール血症 [薬学の時間]
2008/05/06(火) 14:48

薬学の時間
2008年5月6日放送分
「家族性高コレステロール血症」
金沢大学大学院医学系研究科脂質研究講座特任教授
馬渕 宏

家族性高コレステロール血症の特徴
 本日は「家族性高コレステロール血症」の臨床についてお話します。
 動脈硬化症の危険因子は多数ありますが、喫煙、高血圧とともに高コレステロール血症は三大危険因子の一つとされています。
 血清CHOLは血中ではリポタンパクを形成しており、LDL-CHOLとHDL-CHOLがあります。LDLは動脈硬化を促進し、逆にHDLは動脈硬化を抑制します。したがってLDL-CHOLは高ければ高いほど悪い“悪玉CHOL”、HDL-CHOLは高ければ高いほどよい“善玉CHOL”と言われています。


動脈硬化の第一段階としての血管内皮障害 [薬学の時間]
2007/11/20(火) 17:37

薬学の時間
2007年11月20日放送
「動脈硬化の第一段階としての血管内皮障害」
広島大学大学院医歯薬総合研究科創生医科学専攻探索医科学講座心臓血管生理医学准教授
東 幸仁

血管内皮が障害されると動脈硬化と抗動脈硬化のバランスが崩れる
 1980年に米国の生理学者であるFurchgottらにより、エポックメーキングな発見がなされました。これは内皮依存性血管弛緩因子というものですが、後にその本体は一酸化窒素(NO)という非常に単純な物質であることが判明します。NOは、その発見や、NO代謝の研究に対して、1998年にノーベル賞が授与されたことでもわかるように、動脈硬化におけるキープレーヤーの一つです。血管内皮に関する研究がスタートして30年近くが経過しました。これまでの膨大な知見の集積に加えて、現在も、血管内皮に関する基礎的臨床的な新たな発見や可能性が報告されています。動脈硬化においては、血管内皮機能が血管機能自体を制御し、動脈硬化の発症・維持・進展・破綻に、重要な役割を果たしていることが明らかとなってきました。特に、動脈硬化の第一段階として血管内皮障害の重要性が注目されています。したがって血管内皮機能を制御することは、心血管病発症を制御できるといっても過言ではありません。動脈硬化の第一段階としての、血管内皮機能障害の臨床的意義、血管内皮機能障害のメカニズム、予後規定因子として、あるいは治療ターゲットとしての可能性について、さらに詳しくお話したいと思います。


女性における脂質低下療法の有効性 [薬学の時間]
2007/05/17(木) 18:42

薬学の時間
2007年5月17日放送
「女性における脂質低下療法の有効性」
京都大学医学部附属病院探索医療センター探索医療臨床部教授
横出 正之

高齢化が進み女性の動脈硬化性疾患の予防が重要
 わが国の疾患別死因統計をみますと、虚血性心疾患・脳血管障害などの動脈硬化性疾患はがんに続いて多く、さらに65歳以上の高齢者の受療率では循環器系疾患は他疾患を大きく上回ります。今後、75歳以上の後期高齢者がますます増加する超高齢社会を迎えて、循環器系疾患の予防と適切な診断は極めて重大な意義を有するといえます。なかでも、わが国の65歳の女性の平均余命は22.7年であり、高齢女性が健やかで生きがいのある生活を実現するためにも、動脈硬化性疾患の予防戦略は重要な意義をもってきます。そこで本日は女性における脂質低下療法の有効性についてお話したいと思います。