痛みが慢性化するメカニズム [薬学の時間]
2007/08/16(木) 15:42

薬学の時間
2007年8月16日放送
「痛みが慢性化するメカニズム」
和歌山県立医科大学解剖学第2講座教授
仙波 恵美子

多くの人が苦しんでいる慢性痛
 今日は、患者さんの最も多い訴えである、痛みについてお話します。痛みにもいろいろな種類がありますが、まず、生理的な痛みと病的な痛みに分けることができます。またその経過から急性痛・慢性痛という分け方もできます。
 生理的な痛みは、有害な刺激から私たちの体を守るために生体警告系としてなくてはならないもので、また内蔵の痛みなどの急性痛も病変の存在を知らせるために必要です。これらの役に立つ痛みに対し、慢性的に持続する有害無益な痛みがあります。そのために睡眠は障害され、仕事も手につかず、私たちのQOLは著しく低下します。このような痛みを「慢性痛」といい、通常の消炎鎮痛剤はもちろん、モルヒネなども効きにくく、臨床的に最も問題になる痛みです。