最近増加している薬剤性腸炎とその対応 [薬学の時間]
2007/10/11(木) 00:00

薬学の時間
2007年10月11日放送
「最近増加している薬剤性腸炎とその対応」
福岡大学筑紫病院消化器科教授
松井 敏幸

薬剤性腸炎の病型
 治療を目的として投与された薬剤が、消化管に障害をもたらすことがあります。上部消化管と並んで、小腸や大腸にも投与薬剤に起因する病変が生じます。薬剤による腸管障害には、特異的な臨床所見や病理組織所見がないため診断に難渋しがちです。内視鏡検査が診断に有用なこともありますが、腸管障害の診断にあたっては薬剤による可能性を常に念頭に置いた問診が重要です。薬剤による腸管障害は、無駄な治療を行わず、薬剤をやめれば傷害は治癒します。薬剤による大腸障害は、①虚血型、②偽性腸閉塞型、③感染・壊死型、④腸管毒性型、⑤顕微鏡腸炎型、などの5型に分類されます。本日は、この分類に沿って、最新の動向をふまえて主要病型の特徴とその対応について述べます。