食物依存性運動誘発アナフィラキシー [薬学の時間]
2007/10/16(火) 00:00

薬学の時間
2007年10月16日放送
「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」
神戸大学大学院医学系研究科内科系講座皮膚科学分野准教授
堀川 達弥

「食物の摂取」と「運動」の組み合わせで発症する
 食物アレルギーには様々なタイプのものがありますが、大きく分けると即時型アレルギーと遅延型アレルギーがあります。遅延型アレルギーでは、食物を食べた翌日か翌々日に湿疹が現れます。一方、即時型アレルギーは原因食物を食べた後に通常は1時間以内、早ければ数分で蕁麻疹が出たり、眼瞼や唇の腫脹が見られます。症状が強い場合は腹痛、嘔吐、呼吸困難、血圧低下、意識消失などの様々な臓器の症状が見られることがありますが、このような多数の臓器症状が見られる場合をアナフィラキシーといいます。即時型アレルギーはIgE抗体が原因抗原と結合することによって発症します。つまり、食物による即時型アレルギーでは原因となる食物に対する特異IgE抗体が血清中に見つかります。IgE抗体は肥満細胞の細胞膜上にあるIgEの受容体と結合した状態にあります。食物抗原が隣同士のIgEの橋渡しをするように結合すると、これを架橋といいますが、肥満細胞が刺激されて脱顆粒を起こします。脱顆粒によってヒスタミンなどのケミカルメディエータが遊離すると、蕁麻疹やアナフィラキシーを引き起こします。つまり抗原がとなりあったIgEの橋渡しをすることは症状が出現するためには重要であるわけです。