本邦における無痛分娩の現状と課題 [薬学の時間]
2010/01/14(木) 00:00

薬学の時間
2010年1月14日放送分
「本邦における無痛分娩の現状と課題」
北里大学 麻酔科学 准教授
奥富 俊之

 近年の生活様式の変化に伴い、多くの生活習慣病が生まれていることは多くの皆様が知っている通りです。しかし、これら生活様式の変化は何も病気のみに影響を及ぼしているわけではありません。たとえば、活動的な洋装で社会進出し、不規則長時間の勤務を強いられ、欧米化された食生活を経るうちに女性の体型は変化しました。ほっそり形のいい骨盤を獲得した反面、女性の一大イベントである出産の条件は必ずしも進化していません。しかも、少子高齢化で女性の出産年齢は徐々に上昇傾向にあり、高血圧、糖尿病などの合併症のある妊婦の割合も上昇しています。


母乳と薬剤 [薬学の時間]
2009/11/12(木) 00:00

薬学の時間
2009年11月12日放送分
「母乳と薬剤」
星ヶ丘マタニティ病院小児科
瀬尾 智子

 授乳中の女性が薬を使わなければならないとき、「薬が母乳に出るので授乳をやめなければいけませんか」と、しばしば質問されます。たしかに、多くの薬が母乳に出るのですが、その量はとても少なくて、母乳を飲んでいる赤ちゃんに影響が出るとは考えられないことがほとんどです。実際には、お母さんが薬を使うという理由で授乳をやめなくてはならないことは、よほど特殊な場合に限られます。


女性ホルモンと片頭痛の関連性 [薬学の時間]
2009/06/11(木) 00:00

薬学の時間
2009年6月11日放送分
「女性ホルモンと片頭痛の関連性」
神奈川歯科大学附属横浜研修センター横浜クリニック内科学講座教授
五十嵐 久佳

 片頭痛は女性に多い疾患であること、月経に関連して頭痛発作が起こりやすいこと、妊娠中に頭痛が軽減することなどから、女性ホルモンの影響が考えられています。本日は、女性ホルモンと片頭痛の関連性につき解説いたします。


専門薬剤師制度の動向について [薬学の時間]
2009/05/05(火) 00:00

薬学の時間
2009年5月5日放送分
「専門薬剤師制度の動向について」
国立がんセンター東病院薬剤部長
遠藤 一司

はじめに
 本日は、日本病院薬剤師会が認定している専門薬剤師および薬物療法認定薬剤師についてお話しします。
 現在、日本病院薬剤師会が認定している専門的な薬剤師の制度として、専門薬剤師と認定薬剤師があります。その領域は、「感染制御」「がん」「精神科」「妊婦と授乳婦」「HIV感染症」があります。


日本における小児HIV感染症 [薬学の時間]
2008/05/15(木) 00:00

薬学の時間
2008年5月15日放送分
「日本における小児HIV感染症」
大阪市立総合医療センター小児医療センター小児救急科部長
外川 正生

HIVの母子感染を防ぐために
 本日は、現在の日本において、最も患者数の少ない病気の一つである子供のHIV感染症についてお話します。
 HIV感染症とAIDS患者の数が、現在の日本国内でどれくらいアウトブレークしているのかということは専門病院の外ではなかなかわかりにくいことです。まして母子感染による小児HIV感染症あるいは小児エイズとなると極めて少なく、エイズ動向委員会報告で累積49人、厚労省科学研究費稲葉班調査で42人に過ぎません。したがいまして、一般の小児科医が遭遇する機会は極めて乏しいといわざるを得ません。小児HIV感染者は乳幼児期にAIDSを発症する確率の高いことが知られていますが、その一方では無症状のまま10代を迎える群もあり、感染者の実数が把握しにくい点は無症候期の成人と同じなのであります。


漢方服薬指導-妊産婦への投与に関して [薬学の時間]
2007/12/11(火) 18:08

薬学の時間
2007年12月11日放送
「漢方服薬指導-妊産婦への投与に関して」
久留米大学病院薬剤部副部長補佐
永田 郁夫

妊娠中の体調の変化に合わせた漢方薬の処方が必要
 本日は、漢方薬を妊産婦へ投与することについて、注意点などを含めて話をさせていただきます。
 妊娠が成立しますと、生体のホルモンバランスの急激な変化により、身体的にも精神的にも様々な症状が現れてきます。妊娠悪阻(つわり)、めまい、貧血、腰痛、浮腫(むくみ)、便秘、不眠などが代表的なものですが、風邪もひきやすくなります。漢方医学では、これを新生命の誕生による「気・血・水」の乱れととらえています。すなわち、妊婦は胎児に栄養を供給するために、血液の不足、すなわち血虚に陥りやすくなり、妊娠貧血の傾向が現れます。また、母体に胎児が存在するために、本来の気の流れが妨げられて気分が鬱になりやすく、そのために精神的な変調を来すことがあります。さらに、この気の失調により血や水の運行に障害が起き、血や水の滞りが生じやすくなり、その結果、「高血圧、尿タンパク、むくみ」といった妊娠中毒症が現れやすくなるわけです。この「気・血・水」は、それぞれ大きな意味を持っており、漢方医学の概念の一つであることは、みなさんよくご存じかと思います。