結核治療におけるDOTS [薬学の時間]
2008/06/03(火) 00:00

薬学の時間
2008年6月3日放送
「結核治療におけるDOTS」
名古屋市立大学大学院医学研究科腫瘍・免疫内科学准教授
佐藤 滋樹

結核罹患の現状と長期間にわたる治療
 第二次世界大戦後まで猖獗を極めた結核ですが、戦後のストレプトマイシンなど抗結核薬の登場と、結核予防法にもとづいた集団検診、BCG接種、患者管理、公費負担により、戦後日本の結核罹患率は世界で最も早いスピードで減少しました。しかし、昭和60年ごろから減少のスピードはダウンしました。その原因として次のようなことがあげられています。戦争直後までひどい結核の蔓延があり、当時結核の感染を受けた方が現在ご高齢となって結核を発病されていること。また、患者さんが「結核は過去の病気である」と思われ病院の受診が遅れたり、あるいは医師が最初結核を疑わず、診断が遅れることもあります。ステロイド剤や種々の免疫抑制剤の使用も結核の発病とかかわります。さらに、ビルや家屋の気密性が高まったことも原因の一つと疑われています。