日薬アワー「スポーツファーマシストについて」 [薬学の時間]
2009/12/22(火) 00:00

薬学の時間
2009年12月22日放送分
学薬アワー「スポーツファーマシストについて」
日本薬剤師会常務理事
藤垣 哲彦

はじめに
 スポーツファーマシストについて、以前にもお話をいたしましたが、その時にはまだ決定されていない内容もあり、詳しく制度に触れることができませんでした。今回は2010年4月の第1号スポーツファーマシスト誕生に向けてお話をいたします。


ドーピング防止活動とスポーツファーマシスト [薬学の時間]
2009/10/01(木) 00:00

薬学の時間
2009年10月1日放送分
「ドーピング防止活動とスポーツファーマシスト」
日本アンチドーピング機構TUEドラッグリファレンスマネージャー
本波 節子

 みなさま、こんばんは。日本アンチ・ドーピング機構の本波でございます。
 本日は、ドーピング防止活動、特に日本アンチ・ドーピング機構が(社)日本薬剤師会のご協力をいただき新たに設立いたしました「公認スポーツファーマシスト認定制度」につきましてお話し申し上げます。
 みなさまは、ついこの間ベルリンで開催された陸上の世界選手権をご記憶されていらっしゃることと思います。日本選手の活躍はもちろんですが、特にジャマイカのボルト選手の走り振りには目を見張らされました。去年の北京オリンピックでは、競泳マイケル・フェルプス選手が8つのメダルをとったことも記憶におありでしょうか。ボルト選手やフェルプス選手が記者会見で、まず聞かれたことが「ドーピング検査は受けましたか」ということだったそうです。


スポーツ活動中における適切な水分摂取の必要性 [薬学の時間]
2009/03/12(木) 00:00

薬学の時間
2009年3月12日放送分
「スポーツ活動中における適切な水分摂取の必要性」
日本体育協会スポーツ科学研究室室長
伊藤 静夫

はじめに
 スポーツ活動中に、水を飲んだ方がよいという考え方は、比較的最近のものです。1960年代以前では、練習中や試合中に水を飲むことはできるだけ控えるように指導されたものでした。また学術レベルでも、運動中の水分摂取を積極的に推奨していたわけではありません。むしろ、飲み過ぎの弊害に注意が向けられていました。実は、このあたりの事情は、欧米でも同様であり、興味深いところです。
 しかし、1970年代になると、一変して水分摂取を積極的に勧めるようになります。科学的な研究によって、水分摂取の効果が明らかにされたからです。


日薬アワー「今年の展望」 [薬学の時間]
2009/01/27(火) 00:00

薬学の時間
2009年1月27日放送分
日薬アワー「今年の展望」
日本薬剤師会専務理事
石井 甲一

医療費増加の抑制
 日本薬剤師会専務理事の石井です。本日は日本薬剤師会における今年の展望ということで、主な課題ごとにお話をさせていただきます。
 ここ数年、政府は厳しい財政状況の中で、高齢化などによる医療費を含む社会保障費の伸びを計画的に抑制する政策をとってきています。具体的には平成19年度から平成23年度までの5年間で、毎年2,200億円、トータル1兆1,000億円の社会保障費の伸びを縮減するというものです。来年度は3年目に当たり、昨年7月に財務省から示された平成21年度予算の要求上限、これをシーリングといいますが、社会保障費の自然増は8,700億円と見込まれているが、そのうち2,200億円を削減し、6,500億円の増加しか認めないという内容でした。


学薬アワー「ドーピングについて」 [薬学の時間]
2008/10/21(火) 00:00

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薬学の時間
2008年10月21日放送分
学薬アワー「ドーピングについて」
日本学校薬剤師会常務理事
畑中 範子

国体におけるドーピング検査
 国際オリンピック委員会(IOC)はローザンヌで9月21日、規律委員会を開き、今年の北京オリンピック陸上男子ハンマー投げの2位と3位の選手が、競技後のドーピング検査で筋肉増強剤に陽性反応を示した問題を審議し、両選手は10月17日までに新たな材料を提出できる猶予を与えることが決まったそうです。また、2002年のサッカーワールドカップでは、正式に採血によるドーピング検査が導入され、相撲協会でもドーピング検査が問題になったりしていますので、社会的にもドーピングに対する意識が高まってきています。

 ドーピング検査は、競技の公正さはもちろん、競技者の健康被害を防止するために必要とされていますが、競技者がドーピング検査を気にしすぎて、薬を使わず、きちんとした治療ができないなどの事態を避けるために、正確なドーピングの情報を提供することも薬剤師の重要な役割の一つであると思います。
 まず、国体における薬剤師会の取り組みについてお話します。
 2003年、静岡県の「NEWわかふじ国民体育大会」からドーピング検査が始まりました。国体でドーピング検査を入れた理由として、次の四つが挙げられます。
①世界ドーピング防止機構(WADA)常任理事国のなかでドーピング検査の実施数が少ないとの指摘を受けているため、国内最大の総合体育大会にて実績数を上げることができます。
②国際標準に遵守した競技記録として扱われ大会の価値が高まります。
③各競技団体や都道府県体育協会等の関係団体のアンチ・ドーピング活動推進が図れます。
④多くの競技者が関心を持つようになります。
 静岡国体では、静岡県薬剤師会医薬品情報管理センターが関係団体と協力して、「薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイドブック」を作成するなど、積極的に啓発活動が行われました。
 翌年には、日本薬剤師会もドーピング防止活動を開始し、2004年には埼玉県、2005年には岡山県、2006年には兵庫県、2007年には秋田県、今年2008年は大分県で開催され、地元薬剤師会と薬剤師の先生方が大変活躍されております。来年2009年には新潟県で国体が開催されます。そして翌年2010年には千葉県で開催されるということで、千葉県薬剤師会としても準備を進めております。
 次に、「ここから未来へ 新たな一歩 チャレンジ! 大分国体 第63回国民体育大会」における大分県薬剤師会の活動についてご紹介します。
 大きな活動としては、八つあります。
①薬剤師に対するドーピング防止の啓発活動
②ドーピング防止ホットラインの設立
③各種競技団体へのドーピング防止に関する講習会の開催
④ポスターを利用したアンチ・ドーピング活動の啓発
⑤「薬剤師のためのドーピング防止ガイドブック」の配布
⑥救護所における医薬品の確認
⑦ホテル・旅館・民泊業者に対する啓発活動
⑧大分県選手全体を対象とした使用医薬品調査
 開会式前日に開催されたドクターズ・ミーティングにおいても、大分県薬剤師会アンチ・ドーピング委員会委員長・山田先生が活動についてご報告されました。その一部をご紹介しますと、選手への講習会では、
①世界・日本におけるドーピング防止の動向
②ドーピング検査
③ドーピング違反の罰則規定
④禁止物質の副作用
⑤うっかりドーピングの事例紹介
⑥2008年WADA禁止表
⑦特に注意が必要な医薬品類
⑧治療目的使用に係る除外措置
⑨静脈注入の取り扱い
⑩禁止リストの変更
⑪サプリメントについての考え方
 をお話されたとのことでした。
 昨年の秋田国体のとき、競技会外検査(練習中に行く抜き打ち検査のこと)では、高校生がドーピング検査の対象になりました。今年の大分国体でも、まだ報告はありませんが、対象になるでしょう。高校生に対して、薬の正しい知識をしっかり教える必要はもちろんですが、小学生、中学生のうちからくすり教育を始める意義があると考えております。
 大分県薬剤師会では、開催3日前から薬に対する問合せを24時間体制で行っており、委員の先生方のご努力に大変感銘しました。

スポーツ界における薬剤師の役割は重要になる 
 次に、世界ドーピング防止機構(WADA)の禁止表についてお話します。
 この禁止表は、毎年1月1日に発効されます。
 今年の主な変更点は、以下のとおりです。
①選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARMs)が追加されたこと
②ミオスタチン阻害剤が追加されたこと
③静脈注入が必要と考えられる緊急の医学的状況においては、遡って効力のあるTUEが必要となること
④特定競技で禁止される薬物が変更されたこと
 TUEというのは、ドーピング禁止物質であっても事前審査で治療目的使用が認められれば使用できる制度のことをいいます。
 また、今年は、文部科学省のガイドラインに合わせ、日本語訳も次のとおり変わっています。
 ・アンチ・ドーピング → ドーピング防止
 ・禁止リスト → 禁止表
 ・指定物質 → 特定物質
 ・競技外検査 → 競技会外検査
 今年問題になりました静脈内注入について、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の見解では、方法自体が禁止で、
①禁止物質の投与、希釈の可能性
②標準TUE申請書が必要
③緊急の医療状況の場合は、遡及的TUEが必要
④ドーピング検査が実施される可能性のある競技会へエントリーを行った日以降、静脈内注入を受けた場合には、その都度申請が必要
 となっています。
 来年は、略式TUE申請制度が廃止になり、申請方法が変更になります。
 また、医薬品分類も大幅に変更され、第3類のOTCのなかにも、ロクジョウやロジンの疑わしい生薬成分など入っていますので注意が必要です。
 最後にスポーツ界における薬剤師の活動として期待されている「スポーツファーマシスト」についてお話します。
 9月20日・21日、札幌市で開かれた第18回日本医療薬学会年会のシンポジウム「ドーピング防止活動とスポーツファーマシスト」では、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の本波氏が、スポーツファーマシスト認定制度のスケジュールなどを明らかにしたそうです。10月にもスポーツファーマシスト認定制度を告知し、来年2月には募集要綱を発表、講習会を受講したのち、所定の手続きを経て認定することなどが紹介されたそうです。
 ところで、私は今年、ドーピングコントロールオフサー(DCO)の研修を受けてJADAから認定されました。直接ドーピング検査に立ち会うことができて、非常に勉強になっています。選手の皆さんは、プロテイン類をかなり飲んでおり、薬に対する知識も曖昧なような感じがします。JADAのアダムスに登録されている選手であれば、1年中いつでも抜き打ち検査の可能性があります。選手がいつ体調を崩して薬を買いに来ても、適切な対応ができるように準備を整えておく必要があります。
 選手がドーピング禁止物質を含有することを知らずに薬を使用することを「うっかりドーピング」と言われていますが、このうっかりドーピングを未然に防ぐために、薬の専門家であり、薬の調剤、販売等していて選手等に直接渡す薬剤師の積極的な防止活動が期待されています。
 高等学校体育連盟がドーピング検査実施を決定、高校野球連盟も実施を検討するなど、今後ますますドーピング防止に関する知識の必要性は高まってきます。現在、学校薬剤師は、くすり教育や防煙教育を含む薬物乱用防止教育について小中高校に行ってお話させていただいておりますが、ドーピング防止教育も今後必要不可欠なものになってくると思います。
 以上のように、昨今スポーツ界における薬剤師、特に学校薬剤師の役割が広がり、積極的かつ適切な対応が期待されるところとなってきていることから、これに応じるためドーピング防止に対する知識と理解を日々深める必要があると考えられます。


日薬アワー「スポーツファーマシストとドーピング防止活動」 [薬学の時間]
2008/07/29(火) 17:11

薬学の時間
2008年7月29日放送
日薬アワー「スポーツファーマシストとドーピング防止活動」
日本薬剤師会常務理事
藤垣 哲彦

ドーピングは禁止薬物の使用だけではない
 ドーピングの内容はあまり知られていませんが、世界アンチ・ドーピング規定によって定義されています。具体的には、以下の8項目のうち、一つあるいは複数に該当する場合を言います。