「港の風プロジェクト」について [薬学の時間]
2010/07/23(金) 19:08

薬学の時間
2010年7月6放送分
「港の風プロジェクト」について
横浜市薬剤師会常務理事
寺師 三千彦

 実質的に医薬分業が開始されて約26年がたちます。その間、行政による政策誘導によって調剤薬局は順調に処方箋受取率を伸ばしてきました。そして、今、調剤薬局市場は成熟期を迎え、生き残りをかけたシェア競争が激しさを増しています。チェーン薬局や医薬品卸業の多店舗展開が活発化し、ドラックストアとコンビニの業務提携など異業種からの参入も盛んに行われています。この変化は、立地条件が経営の成否を決めるという今までの考えとは明らかに異なることがうかがえます。そもそも医薬分業を旗印にスタートし、当初調剤薬局に求められたものは何だったのでしょう。医薬品の専門家として、処方薬を安全に供給することで国民の健康な生活を確保すること以外に、どのような職能の発揮が期待されてきたのでしょう。この数十年の活動を通し、薬剤師への信頼性は増大したでしょうか・・・かかりつけ薬局としての機能は確立されましたか・・・また、地域医療への貢献度は十分と言えるでしょうか。勿論、在宅医療への参画、健康相談会の開催、子宮頸がんワクチンの啓蒙キャンペーンへの参加、ニコチンパッチの無料配布など色々評価に値する活動を積み重ねてきています。しかし、もっと地域住民との関係を親密にし、調剤薬局の位置付けを変えていけると思えて仕方ありません。つまり、今吹いている変化の“風”がいい意味で私たち薬剤師の背中を押し、本来の薬剤師が担う薬物療法への関与をベースに、健康管理の推進役として地域の人々に貢献する存在になることができると思うのです。