誤嚥予防のための口腔ケア [薬学の時間]
2010/08/30(月) 15:21

薬学の時間
2010年8月5日放送分
誤嚥予防のための口腔ケア
国立病院機構栃木病院歯科・口腔外科医長
岩渕 博史

 誤嚥は食物、水分、胃液、唾液などが誤って気管や気管支内に入ってしまうことを言います。その誤嚥した物質によって引き起こされる肺炎が誤嚥性肺炎です。高齢者の場合、その程度は様々ですが高率に唾液の誤嚥がみられます。口腔は肛門周囲、鼻腔と並ぶ3大不潔域で様々な種類の常在菌が歯垢や唾液中などに存在します。特に歯垢中の細菌数は糞便中の細菌数と同等であるといわれています。また、口腔内の細菌は多種多様であり、その病原性が他部位の細菌と比較しても決して弱いわけではありません。この口腔内細菌が誤嚥性肺炎の主な原因菌であり、唾液の誤嚥により多くの口腔内細菌が呼吸器内に送り込まれます。近年、この誤嚥性肺炎の予防として口腔ケアが注目されています。口腔ケアは誤嚥性肺炎の原因菌となる口腔内の常在菌数を可能な限り減少させることが出来るため、誤嚥した際に呼吸器内に入り込む原因菌を可能な限り減らすことが出来ます。また、広義の口腔ケアには摂食・嚥下機能のリハビリテーションも含まれます。