シリーズ重篤副作用疾患別対応マニュアル(19)血管性浮腫 [薬学の時間]
2010/09/24(金) 19:56

薬学の時間
2010年8月31日放送分
シリーズ重篤副作用疾患別対応マニュアル(19)血管性浮腫
横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学教授
池澤 善郎

 血管性浮腫とは、発作性に皮膚や粘膜に限局した深在性の浮腫で、通常1~3日後に跡形なく消退し、被覆表皮は正常皮膚色から淡紅色調で、指圧痕を残しません。顔面や頚部、特に眼瞼や口唇に好発し、痒みはないことが多く、皮膚や皮下組織が浮腫により伸展されるため、時に、痛みを感じることがあります。突然出現し、跡形なく消退する点は蕁麻疹に似ていますが、蕁麻疹では痒みがあるのに血管性浮腫では痒みがないこと、蕁麻疹では紅色又は白色調の膨疹が24時間以内に消退するかほかの部位に移動して病的に出没を繰り返すのに、血管性浮腫では皮疹の持続時間が1~3日と長いことが、蕁麻疹と異なります。こうした違いは、組織学的に蕁麻疹の浮腫が真皮上層に見られるのに対して、血管性浮腫では皮膚の場合真皮深層から皮下組織にかけて見られ、粘膜の場合粘膜上皮下層より深い粘膜下組織に見られるためと思われます。しかし、血管性浮腫は同じ一過性の浮腫として蕁麻疹と同じ発症機序を共有するため、食物や薬物のアレルギーによるとか、非アレルギー性のアスピリンに代表されるNSAIDs不耐症によるものでは、しばしば蕁麻疹と一緒に生じますが、それ以外の原因や機序による場合、多くは単独に生じます。