食物アレルギーへの対応 [薬学の時間]
2010/10/01(金) 19:54

薬学の時間
2010年9月7日放送分
食物アレルギーへの対応
神奈川県立こども医療センターアレルギー科部長
栗原 和幸

はじめに
 アレルギー疾患が世界的に増加しつつあります。喘息を初め、アレルギー疾患の治療方針のガイドラインが我が国でもまとめられてきましたが、一番対応が遅れているのは食物アレルギーかも知れません。これまで食物アレルギーの対応は、除去食を続けながら耐性、食べても問題がない状態という意味ですが、耐性の獲得を待つことしかありませんでした。幸い、乳幼児に多くみられる鶏卵、牛乳、小麦のアレルギーの大部分は数年の内に耐性を獲得していきます。しかし、学童期以降は改善があまり期待できなくなり、ピーナッツなど改善しにくい食品のアレルギーもあり、生涯にわたって除去食を継続しなければならない場合もあります。また、重篤なアナフィラキシーを一度でも経験すると、わずかなアレルゲンの混入を常に心配して怯えていることになります。ですから、新たな食物アレルギーの対応法の開発が強く望まれる訳です。