アトピー性皮膚炎診療ガイドラインのポイント [薬学の時間]
2010/10/01(金) 20:00

薬学の時間
2010年9月9日放送分
アトピー性皮膚炎診療ガイドラインのポイント
九州大学皮膚科学教授
古江 増隆

 本日は、2009年に改訂されました日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎診療ガイドラインについて概説したいと思います。日本皮膚科学会によるアトピー性皮膚炎の診断基準は1994年に、重症度分類は1998年の中間報告を経て、2001年に策定されました。治療ガイドラインは2000年に初めて策定され、その後2003年、2004年、2008年に改訂されています。2009年改訂版は、診断基準、重症度分類、治療ガイドラインの3つを統合したもので、日本皮膚科学会のホームページから全文をダウンロードできますので、是非ご一読ください。このガイドラインは、は、海外で用いられている標準的な診断基準や重症度分類も紹介し、我が国の診断基準や重症度分類との整合性を認識しやすいように工夫してあります。ステロイドバッシングによって、ややもすると不適切治療が蔓延しかかった1990年代のアトピー性皮膚炎診療においては、治療のゴールと全体像をはっきりと明示できる分かりやすいガイドラインが要求されました。そのため、アトピー性皮膚炎診療ガイドラインは、通常のclinical questionを設けたevidence-based medicine (EBM)形式を避け、できるだけ簡潔な構成とするように従来まとめられてきました。ガイドラインを補完するしっかりとした医学的検証に基づいたEBM情報の提供は、厚生労働省研究班によって作成され、ホームページでも全文を読むことができます(http://www.kyudai-derm.org/atopy_ebm/index.html)。